全952文字
PR

 建設業で2020年に起こった死亡災害の件数は、過去最少の水準となった。厚生労働省が21年1月に公表した速報値によると、年間の死亡者数は240人。これまで最も少なかった19年と比べて6人減った。

建設業の労働災害による年間死亡者数。全て1月時点の速報値。厚生労働省の資料を基に日経クロステックが作成
建設業の労働災害による年間死亡者数。全て1月時点の速報値。厚生労働省の資料を基に日経クロステックが作成
[画像のクリックで拡大表示]

 災害件数の確定値が公表されるのは例年5月。通常は速報値より20人ほど多くなるが、それを加味しても、19年に続いて年間300人を下回るのはほぼ確実だ。

 要因別の内訳を見ると、建設業の死亡災害で常に最多となってきた「墜落・転落」の減少が際立つ。15~18年は速報値ベースで毎年120人台を推移していた。ところが、19年に102人、20年に85人と2年続けて前年比で1割以上減ったのだ。

 理由の1つとして考えられるのが、フルハーネス型の墜落制止用器具の普及だろう。19年2月に改正労働安全衛生法が施行され、6.75mよりも高所で作業する際の着用が原則化された。22年には、従来規格の安全帯の着用や販売が禁止される。業界を挙げて取り組んできた対策が、ようやく実を結んでいる。