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 「働き手のコミュニケーションが改善して生産性が上がった」「売れ残りが劇的に減った」「年収1000万円の高齢農家が競っている」―。サイボウズの業務アプリ開発プラットフォーム「kintone」を活用する農業生産者らが一堂に会して成果を披露するイベントが2018年2月に開かれた。

 高齢化で担い手不足に悩む日本の農業は、ITを活用して経験や勘に頼らない効率化が期待されている。ただ、国内の農業生産者の経営状況や栽培している作物は様々で、生産規模は家族経営をはじめとした少人数の中小が主流だ。大規模なシステムは導入しにくい。

 そこで、意外にもユーザーを増やしているのがkintoneである。中小規模の農業生産者でも、いつどんな作物がどのくらい収穫できたかというデータを管理する画面をそれぞれ独自に作って情報共有できる。

 多様な働き手が情報を共有すれば、家族経営の枠を越えて農業の担い手を増やすきっかけにできる。温度や湿度などの環境データを収集して、どのような環境であれば作物が生育しやすいかという相関関係を調べて生産効率の向上にも役立てられると期待されている。

 セミナーは題して「100農家いれば100通りの農業」。サイボウズの社長室デジタルビジネスプロデューサーである中村龍太氏の司会進行で始まった。

kintoneで障害者の意欲を引き出す

 最初に登壇したのは、神奈川県三浦市でニンジンやダイコン、キャベツなどを生産している農業生産法人「元気もりもり山森農園」の代表者である山森壯太氏だ。

 山森氏は 障害者手帳を持つ働き手と一緒に農産物の安全性を示す認証の取得に取り組むためのツールとしてkintoneを導入した。取得したのは「農業生産工程管理(GAP)」の1つである「ASIA GAP(アジアギャップ)」と呼ばれる認証で、GAPは2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックの食材調達基準として知られる。

「元気もりもり山森農園」代表の山森壯太氏
「元気もりもり山森農園」代表の山森壯太氏
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 山森農園は神奈川県三浦市で13カ所の農場を管理し、1年間に同じ作物を2度に分けて栽培して収穫する。山森氏は父の代から継いだ障害者雇用の会社も経営しており、障害者に野菜の収穫作業や袋詰め作業などを委託している。