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 「RPA大調査」をはじめとする日経コンピュータの特集や「我が社のRPA大作戦」といった日経クロステックの特集を担当し、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の先進導入企業を多く取材してきた。RPAとはソフトウエアのロボット(ソフトロボ)で手順が決まっていて繰り返すPC作業を自動化するデジタル技術だ。働き方改革を進める各社は、PC作業を効率化する手段としてRPAに注目している。

 記者が各社への取材を続けてきたなかで「体系的にRPAの導入や普及を社内で進めている」と分かった。しかも「この体系的な進め方はRPAにとどまらず、AI(人工知能)や機械学習、スマートフォンなど、業務担当者の仕事を自動化したり効率化したりするデジタル技術を企業でフル活用していくうえで役立つ取り組みだ。働き方改革のためだけにRPAを普及させるのは惜しい。RPA普及ノウハウを、これから進めていくDX(デジタルトランスフォーメーション)にもぜひ役立ててほしい」と考えている。

RPA先進企業は3つの取り組みを体系的に進めている

 ここで言う「体系的な進め方」とは「アイデア創出」「現場適用」「適用拡大」の3つの取り組みを指す。取材を通してRPA先進企業はこれら3つにバランス良く取り組んでいると記者は気づいた。

RPAを社内で普及させている先進企業の3つの取り組み
取り組み名概要
アイデア創出RPAを適用できそうなPC作業を、普段作業をしている業務担当者から提案してもらう
現場適用技術の癖をつかんだうえで業務に適用したり、現場の利用を踏まえた作りを考えたりする
適用拡大より多くの成果を得るために自動化する業務を増やしたり、他のデジタル技術と組み合わせて適用したりする

 「アイデア創出」とは、RPAを適用できそうなPC作業を、普段作業をしている業務担当者から提案してもらう取り組みだ。RPAはPC上の様々なアプリケーションを自動操作できる汎用性を持つ。一方、業務担当者が進めているPC作業は多岐にわたる。「同じ部署にいる他の担当者が詳しい手順を知らない」といったPC作業も少なくない。こうしたなかでもRPAに向くPC作業を見極める必要がある。

 RPAを適用するPC作業の見極めでは、現場の担当者の協力が欠かせない。RPAの先進企業はこのことに気づき様々な策を講じている。ある企業は業務改善活動の一環として時間がかかっているPC作業を社内から広く募集していた。別の企業は社内の先行事例をイントラネットで公開。これから導入を検討する部署の業務担当者が「担当しているこのPC作業にRPAを適用できるのではないか」と考えてもらうきっかけにしている。

 ほとんどの場合、RPAは業務担当者にとって初めて扱うデジタル技術だ。すぐに「こんな業務が手間だから適用しよう」「こんなことに使えそうだ」と思いつくのは難しい。そこで先行事例を示すなどして、業務担当者が適用アイデアを思いつきやすくする支援の必要があるわけだ。