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 「やっぱり、やめにしたか…」。演劇仕立てで次バージョンの機能拡張予定を紹介するという恒例の出し物が無かった(図1)。フランスのダッソー・システムズ(Dassault Systemes)が米国ナッシュビルで2020年2月9~12日に開催したイベント「3DEXPERIENCE WORLD 2020」最終日の一幕だ。

図1 「3DEXPERIENCE WORLD 2020」キーノートの舞台
図1 「3DEXPERIENCE WORLD 2020」キーノートの舞台
登壇しているのはダッソー・システムズSOLIDWORKSのCEO、ジャン・パオロ・バッシ(Gian Paolo Bassi)氏。(写真:日経クロステック)
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 例年、イベント最終日に当たる水曜日午前中のキーノートの後半では、3D-CAD「SOLIDWORKS」の次バージョンで実装を予定している新機能を、ヒット映画や有名テレビ番組のパロディーといった形にこじ付けた寸劇でチラ見せ(スニークプレビュー)する、というのが約20年続く“お約束”だった(図2、「SOLIDWORKS 2021」の新機能はこの記事の末尾で説明)。同イベントは、SOLIDWORKSのユーザーやリセラーなどが世界中から合計6000人程度参加する大規模なもの。2019年までは「SOLIDWORKS WORLD」という名称で開催されていたが、主催者のダッソー・システムズが「ツールからプラットフォームへ」と事業方針を大きく転換しているため今回からイベントの名称が「3DEXPERIENCE WORLD」に変わっていた。

図2 ヒット映画・テレビ番組のパロディーによるSOLIDWORKS WORLD恒例のチラ見せ
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図2 ヒット映画・テレビ番組のパロディーによるSOLIDWORKS WORLD恒例のチラ見せ
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図2 ヒット映画・テレビ番組のパロディーによるSOLIDWORKS WORLD恒例のチラ見せ
左が2012年2月15日、右が2016年2月3日。キーノートで次バージョンの機能を説明するコーナーのスクリーンの内容の例。元ネタの説明は省くが、左写真の「フィーチャー(Feature、形状特徴)」は、CADでは「穴」「突起(ボス)」などの“意味を持った部分図形”を意味する。このフィーチャーの時系列的積み重ねをさかのぼって修正する機能が大きなテーマだった。(写真:日経クロステック、スクリーン投影内容はダッソー・システムズによる)

 プラットフォームが主役になるというなら、ツールが実の“主役”であるチラ見せの寸劇はもうやめるのではないか…と予感していた参加者も少なくなかったようだ。実際に寸劇が無いまま水曜日のキーノートが進行し、終わりを意味する来年のイベントの予告になると、それが無いことを悟った会場に微妙な雰囲気が漂ったように思えた。