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 最大の兆候はデジタル化だ。デジタル化というと、Web関連技術やクラウドサービスなどの新しい技術を駆使し、数週間おきに機能強化するシステムが支えているイメージだ。枯れた技術を使って安定稼働させることを最重要テーマに掲げる基幹系システムとは、今のところ対極にあるようにみえる。

 ただ、デジタル化の名の下に始まった新サービスで使うデータの多くは、基幹系システムが管理してきたもの。現在は、デジタル化を支える新システムと基幹系システムとで、顧客情報や商品情報など、それぞれ必要なデータを持っているケースが多い。

 今後、分断されているデータを統合するニーズが出てくるのは間違いない。1つの企業内に複数の顧客情報や商品情報を抱えるのは無駄が多いうえ、デジタル化の効果も発揮できないからだ。

 まずはデータ連携から始まり、最終的には基幹系システムが持つ一部の機能をデジタル側のシステムで利用するといったケースも出てくるかもしれない。「在庫をリアルタイムに確認する」といった機能をデジタル側のシステムで提供する場合、基幹系と別に作るのは合理的ではないからだ。基幹系の機能を一部切り出して、安全に社外に開放できる仕組みも必要になるだろう。

 その際、30年前、20年前に構築して保守もままならないほど古くなった基幹系システムを利用し続けるのか、それともここで思い切ってデジタル化を支える基盤として作り直すのか。後者の決断をする企業が増えるのではないか、と記者は期待を込めてみている。

基幹系がAIで進化する

 次に大きな兆候は、基幹系システムそのものが「進化」する土壌が整ってきたことだ。その代表例がAIの活用による、基幹系システムの入力業務の効率化だ。

 ERPパッケージベンダーはAIを使った新機能を搭載するERPパッケージを相次ぎ投入している。ワークスアプリケーションズの「HUE」は、蓄積したデータを機械学習で解析して、入力の自動化を支援する。欧州SAPも今後、機械学習を使ってERPの操作を効率化する機能を「S/4HANA」に相次いで搭載する予定だ。

 パブリッククラウドの信頼性が高まっているのも兆候の1つだ。基幹系システムのインフラに採用する動きはあっという間に広がり、今では「当たり前」といえるようにもなってきた。

 デジタル化を支える新システムの多くがクラウド上で稼働するため、基幹系システムを同じ基盤に乗せれば各種の連携がしやすくなる。その先には、よりデジタル化との親和性を高めるため、基幹系システムのアプリケーション再構築が待っているだろう。