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 電気自動車(EV)が大きな注目を集める中、ともすればその陰に埋もれてしまいがちなハイブリッド車(HEV)――。そんなHEVに、独自性の高い技術を次々と投入してきているのが最近の日産自動車だ。

 同社は2020年12月下旬、新型の小型車「ノート」を発売(図1)。シリーズ・ハイブリッド・システム「e-POWER」の第2世代品を初搭載した。ガソリン車もラインアップしていた従来ノートとは違って、全車がe-POWER搭載のHEVモデル。HEVに懸ける同社の意気込みが感じられる。e-POWERも初代と比べて大きく進化しており、モーターの最高出力は85kW、最大トルクは280N・mとそれぞれ6%増、10%増と力強さを増している。

図1 日産自動車の新型小型車「ノート」
図1 日産自動車の新型小型車「ノート」
第2世代のシリーズ・ハイブリッド・システム「e-POWER」を搭載する。(出所:日産自動車)
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 さらに「力強さだけでは扱いやすさや上質さにつながらない」(同社)と、運転のしやすさや滑らかさを増大させるように制御を見直した。市街地走行ではアクセルをオフにしたときの減速G(加速度)の立ち上がりを滑らかにし、高速走行ではアクセル操作に敏感に反応させないように変更した(図2)。加えて、駐車や停車に対する使いやすさを考慮し、これまでは取り入れていなかったクリープ走行(約5km/h)を導入し、ブレーキペダルを踏まなければ止まらない仕様に変更した。

図2 新型ノートにおける運転のしやすさや滑らかさの追求
図2 新型ノートにおける運転のしやすさや滑らかさの追求
(出所:日産自動車)
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 もっとも、こうした見直しの中でもとりわけ注目したいのが、静粛性向上のために導入した新しい発電制御技術だ。発電用エンジンの作動音が気になりやすい、ロードノイズが小さな滑らかな路面ではエンジンを極力かけない、という「世界初」(同社)の独自アプローチで、静粛性を大幅に向上させた。

 同社によると、従来モデルのノートe-POWERでは、電池の残量がなるべく減らないように発電を制御していた。全車e-POWERとなった新型ノートでは、電池に最低限必要な残量がある限りは、ロードノイズが小さな滑らかな路面ではエンジンによる発電を抑制するように制御を変えた(図3)。具体的には、車輪のホイールの回転変動を検知して滑らかな路面かどうかを判断し、発電を制御している。

図3 新型ノートにおける発電制御の変更点
図3 新型ノートにおける発電制御の変更点
(出所:日産自動車)
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