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 「就活本番なのに何をしていいか分からなくなりました」――。都内にある有名私立大のキャリアセンターには2020年2月ごろからこうした2021年卒採用の就活生の相談が目立つようになってきたという。

 背景には新型コロナウイルスの感染拡大により2月に参加予定だった企業でのインターンシップが中止、3月の大学内の企業説明会やリクナビ・マイナビなどの合同説明会も相次いで中止になったことがある。採用コンサルタントの谷出正直氏は、「就活生は売り手市場ではあるが、うまく情報が得られず不安になっているのだろう」と説明する。

 不安なのは新卒採用する側の人事担当者も同様だ。ある大手メーカーのIT関連会社では、毎年実施していた親会社と合同での企業説明会が中止になった。人事担当者は、「採用ブランドのある親会社は大丈夫なのだろうが、ウチ単独では知名度があるとは言えず、人が集まるかどうか」と不安を隠さない。

 別のITベンダーの人事担当者は「2月の直前のインターンシップで就活生の心を温めて3月からの採用本番に臨むつもりだったが、中止にせざるを得ず、もくろみが完全に外れた」と悔しがる。