2021年は半導体業界にとってウハウハの年だった。半導体の世界市場は前年比26.2%成長し、初めて5000億米ドルを超えて5559億米ドル(約63兆8000億円)に達した*1。その中で米Intel(インテル)の売上高は前年比1%増の747億米ドル(約8兆6000億円:Non-GAAPベース)にとどまり ニュースリリース 、大手半導体メーカーの中で一人負けだった。このような厳しい状況の中、CEOのPat Gelsinger氏が、22年2月17日(現地時間)に開いた投資家向け会議「Investor Meeting 2022」 プレスキット において、26年に2桁成長(前年比10~12%増の売上高)を達成するという決意を述べた。同氏と幹部は、それが絵空事でないことの証(あかし)として、26年までの製品や技術のロードマップを見せた。今後、成長が見込めるのは、データセンター関連、事業者向けネットワーク関連、グラフィックス関連とした。いずれも、今後盛り上がりが期待されるメタバースで重要となる要素である。一方で、PC関連は1桁の低成長を見込む。
関連記事 *1 売上高も出荷個数も過去最高、21年の半導体世界市場Gelsinger氏は、新規プロセスの開発遅れで精彩を欠いていたIntel復活の期待を一身に背負って、約1年前の21年2月15日にCEOに就任した。その約1カ月後の3月23日に新しい製造戦略「IDM 2.0」を発表したことを皮切りに、技術や製品のロードマップを積極的に見せてきた。今回は投資家向け会議ということで、業績に直結する数字も示した。例えば、売上高の成長率。22年は21年と同じ1%増だが、その後は5~9%増、そして26年には10~12%増と2桁成長するとした。
「2桁成長を疑っている人もいるかもしれないが」と冗談とも本気ともいえる前置きをしてGelsinger氏は、それが達成できるという根拠を示した。ざっくりいうと、半導体の需要は今後も旺盛で、30年までに半導体世界市場は現在の2倍の1兆米ドル(約114兆円)を超える。この成長軌道に乗ることができる製造と製品の力をIntelは持っているとした。その後、複数のロードマップを同氏と幹部が示した。