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 新型コロナウイルスの影響によるイベントの中止が相次ぐ一方、テレワークの推進運動が急速に拡大している。注目されているのがインターネットを通じて実施するオンラインでの代替イベントだ。これまで利用者数が伸び悩んでいたが、これを契機に需要が広がるとみられている。カギとなるのは、“一体感”と“リアルさ”というキーワードだ。

 イベントなどで人が集まる動機の1つとして、偶然の出会いが挙げられる。実際の会場でたまたま出会った誰かと、新しい交流が生まれることがある。さらに重要なのが、会場の “一体感”という非日常的な感覚を味わえることだ。

 これらをオンラインでいかに得られるようにするか。仕事の会議ならともかく、単に映像を配信するだけでは難しい。

 そこで関心が寄せられているのが、VR(Virtual Reality)空間のイベントスペースを活用した代替イベントだ。KDDIは、2020年3月24日に開催予定だった「MUGENLABO DAY 2020」の会場を、VRイベントスペース「cluster」に変更し、バーチャルイベントとして実施する(ニュースリリース)。

「cluster」を利用したバーチャルイベントの開催イメージ
「cluster」を利用したバーチャルイベントの開催イメージ
(出所:KDDI)
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 clusterでは、他の参加者が3Dモデルのアバターの姿で表示されている。拍手や笑い声、「いいね」マークなどの「エモーション」を使って、参加者同士が簡単なコミュニケーションを取れる。与えられた参加者権限によっては、マイクを使って音声で会話することも可能だ。PCアプリだけではなくスマートフォンアプリからも参加できる。

 この他、国外でもVR空間で代替イベントを実施する動きがある。例えば、VRや3Dユーザーインターフェースの国際学会である「IEEE VR 2020」(2020年3月22~26日、米アトランタ)は、全ての講演や発表をオンライン会議システムで実施すると発表した。

 IEEE VR 2020で使用するのは、Webブラウザーから利用可能なソーシャルVRプラットフォーム「Mozilla Hubs」である。発表会場となる仮想ルームを3Dオブジェクトなどを活用して作成し、講演を聴いたりポスターセッションや展示デモなどを見たりといった体験を、Webブラウザーの2D画面だけで得られる。VR用ヘッドマウントディスプレー(HMD)を使えば、その会場にいるかのような没入感の高い体験もできる。

 VR空間で他の参加者とコミュニケーションが取れるのは、大きなメリットになる。でも、人が集まる動機となる一体感を、本当にVRで提供できるのか。

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