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 2019年末、ダム工事の取材で都内の建設会社を訪れた。説明のために準備してもらったのが、現場の3次元点群データだ。点の一つひとつが座標を持つので、筆者が堤体の寸法や土量などを尋ねても、画面上で計測してすぐに教えてくれる。いまや現場に行かなくてもここまで分かるのかと改めて驚いた。ただ、自分で点群データを操作する機会に恵まれるとは思いもよらなかった。

日本インシークが香芝市の同意を得て公開した「香芝RID」。ウェブブラウザー上で道路の点群データを直接操作できる(資料:日本インシーク)
日本インシークが香芝市の同意を得て公開した「香芝RID」。ウェブブラウザー上で道路の点群データを直接操作できる(資料:日本インシーク)
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 というのも、建設コンサルタント会社の日本インシーク(大阪市)が20年2月、奈良県香芝市の道路の点群データを誰でも使えるオープンデータとして無償で公開したからだ。同社が13 ~ 19年にかけてレーザースキャナーを搭載した車両で記録したデータを、ウェブブラウザー上で自由に操作できる。香芝市が舗装の修繕計画を立てたり道路の平面図を作ったりするため、同社に委託して計測したデータを基にした。

 16年に官民データ活用推進基本法が施行されて以来、公共データのオープン化が進んでいるが、点群データの公開は珍しい。日本インシークの担当者は「専用のソフトウエアがなくても使えるという点で、全国初の試みだ」と説明する。