就職活動が本格化してきた。2022年4月に入社する新卒採用向けに、リクナビやマイナビといった就職情報サイトが2021年3月1日に相次いでオープンした。昨シーズンは採用時期に新型コロナ禍が重なったため、採用の現場は混乱した。今シーズン、新卒採用全体やIT業界の採用はどのような傾向なのか。
企業の採用意欲を示すバロメーターの一つが、大手就職情報サイトでの掲載企業数だ。採用コンサルタントの谷出正直氏の調査では、大手サイト(リクナビ、マイナビ、キャリタス就活)の延べ掲載企業数は2021年3月1日時点で5万1375社。これは前年同日比で0.76倍となっており、個別でも3サイトそれぞれで減少がみられる。
また、ディスコが2021年1~2月にかけて実施した「新卒採用に関する企業調査」においては、2022年3月卒業予定者の採用見込みは採用が縮小した2021年卒採用と同水準程度という結果になり、こちらも採用数が増えるという傾向にはなっていない。いずれも採用動向がこれまでの学生優位である「売り手市場」一辺倒から変化していることを示している。