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 みずほフィナンシャルグループがシステムに絡む2つの難題を抱え込んだ。1つがわずか2週間で4件も発生したシステム障害の原因究明と再発防止。もう1つがLINEと組んで2022年度中の開業を目指す新銀行のシステム開発だ。いずれもみずほの今後を左右する重要な経営課題といえる。みずほはこの2つの難題にどう取り組むのか。

 「食事代を引き出そうと思ったら、ATMにキャッシュカードが吸い込まれた。電話をしてもつながらない。カードが戻ってこないのでATMから離れられない」。2021年2月28日午後、東京都港区のみずほ銀行ATMの前で、50代の自営業男性は頭を抱えた。

みずほ銀行のATM前で顧客が操作を繰り返していた(2021年2月28日)
みずほ銀行のATM前で顧客が操作を繰り返していた(2021年2月28日)
(撮影:日経クロステック)
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 2月28日午前に発生したみずほ銀行のシステム障害を巡っては、全国で同様の被害に遭った顧客が続出。キャッシュカードや通帳がATMに取り込まれた取引の件数は5000件を超えた。

 システム障害の引き金を引いたのは、2月28日に実施した定期預金に絡むデータ更新処理。月末定例の分も含めて合計70万件を処理しようとしたところ、メモリー容量が足りなくなり、自行ATMやインターネットバンキングを経由した定期預金取引ができなくなった。

 さらに、自行ATMで定期預金取引が処理できず、そのシステムエラーが勘定系システム「MINORI」の司令塔に当たる「取引メイン」にたまり、自行ATMの処理区画が相次ぎダウン。結果として、自行ATMの7割超に相当する4318台が一時動作不能に陥った。その後も別の要因でシステムトラブルが頻発した。

 みずほ銀行は一連のシステム障害を受け、早期に再発防止策も含めた調査結果をまとめる方針だ。これが1つ目の難題だ。再発防止策の策定・実行も一筋縄ではいきそうにない。

 メガバンクのシステムに詳しい専門家は「取引メインがアキレスけんになりかねない」と指摘する。取引メインは各業務アプリケーションを構成する「商品サービス」を呼び出す順番などワークフローを制御する役割を担う。もし取引メインが深刻なダメージを受ければ、MINORI全体に悪影響が及びかねない。もしこうした仕組みに何らかの手を加える必要が出てくれば、対応の時間とコストは膨れ上がる。