全1086文字
PR

 2021年2月13日に発生し、最大震度6強を観測した福島県沖地震。東北新幹線が一部区間で運行を見合わせるなどインフラへの影響に世間の注目が集まったものの、建物被害についてはあまり報じられていない。3月には報道も落ち着き、入れ替わるようにして東日本大震災からの10年間を振り返る報道が目立つようになった。

 ただ、現地では天井や外壁の落下など非構造部材の損傷が多発した。福島県沖地震の発生後、被災現場を訪れた筆者は、震度5強が観測された仙台市で見過ごすことのできない被害を確認した。14階建て鉄筋コンクリート(RC)造の集合住宅「あすと長町第二市営住宅」で発生した、あわや大惨事という事故だ。最上階14階の渡り廊下が抜け落ち、住民1人が軽傷を負った。

仙台市の「あすと長町第二市営住宅」では、最上階に当たる14階の渡り廊下が脱落した。写真下は渡り廊下がかかっているが、その1つ上の階には渡り廊下がない。2021年2月18日に撮影(写真:日経アーキテクチュア)
仙台市の「あすと長町第二市営住宅」では、最上階に当たる14階の渡り廊下が脱落した。写真下は渡り廊下がかかっているが、その1つ上の階には渡り廊下がない。2021年2月18日に撮影(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]

 現地を訪れ、上を向くと、渡り廊下がすっぽりと抜けて奥に空が見えていた。事故があったのは南棟と北棟を結ぶ共用廊下。仙台市市営住宅管理課によると、アルミニウムでできた約1.8m四方のエキスパンションジョイントのカバーが落ちた。事故が起こったのは、2月13日の地震発生から翌14日午前1時20分ごろまでの間という。

 市は、日経アーキテクチュアの取材に対し、次のようにメールで回答した。「他の渡り廊下では部材の変形など異状がないことを確認した。負傷された方が出たことを深く受け止め、改めて安全対策の観点に立って、適切かつ適正な施設管理に努めたい」(市営住宅管理課)。3月16日時点で、脱落原因などの詳細を調査中だ。