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 趣味嗜好だけでなく、ある場面・ある出来事ごとの人間の感情を基に「個別最適化(パーソナライズ化)」するサービスが立ち上がろうとしている。カメラやマイクなどからユーザーの感情を読み取る「感情推定技術」が発達してきたからだ。技術開発が進む背景として、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things)、ウエアラブルデバイスなどが発達し、今までより人間の日常生活からデータを容易に取得できるようになったことが挙げられる。

 インターネットサービスでは、パーソナライズ化は珍しくない。米グーグル(Google)や米フェイスブック(Facebook)などは検索履歴や「いいね!」を押した先などのデータを基にユーザーおのおのの関心に合わせた広告を提示するなどして成長してきた。

 こうしたサービスと、感情を基にした個別最適化サービスが大きく異なるのは、その主戦場が現実世界であることだ。現実世界では、パーソナライズ化に向けたデータ収集にネットより手間がかかる。例えばユーザーがウインドーショッピングした際、どのような製品に興味・関心を抱いているのかなどのデータ収集は、目線認識や物体認識などを使えばできるかもしれない。ただ現時点では、それらは一般的ではなく、プライバシーの問題もある。そこで場面・出来事ごとに人間の表情や脳波、心拍などのデータを組み合わせて感情を推定して感情データとして蓄積し、現実世界でのパーソナルサービスを可能にしようと各社が目指しているのだ。