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 出張にしろ、観光(個人旅行)にしろ、海外でのフライトトラブルは、国内に比べて大きな困難に出合うことが少なくない。インターネットの発達で価格比較や予約、購入は簡単になったものの、変更や解約が自由にできるチケットは高価で買えない。ひとたびトラブルが発生すると、制限のあるチケットでは、交渉が必要になるケースが大半だ。ホームページ上でその交渉窓口の電話番号を探すのは意外に難しい。トップページからメニューをたどっても、見つからないことが多い。見つかったとしても、言葉の壁がある。外国語に堪能とは決して言えない記者には大きな負担となる。

 それでも、こうやって原稿を書いているので、無事に(すなわち、命に別条はなく)帰国してきた(すべての関係者の皆さま、ありがとうございます)。この記事では、記者が遭遇した海外でのフライト関連トラブルを2つ紹介する。最初は、収束時期が見えない新型コロナウイルス関連である。記者は欧州3カ国での取材のために、2020年2月23日に東京をたった。その日には、すでにスペイン・バルセロナで開催予定のMWC 2020が中止になっていた。規模が大きいこと、出展者/来場者に中国系の比率が高いこと、そして主な通信事業者や大手通信機器メーカーが続々と出展を取りやめたことが、主催者の決断を早めた要因だと思われる。

ドイツから日本への帰国便の窓から撮影した風景
ドイツから日本への帰国便の窓から撮影した風景
中央下方には雲から頭を出した富士山が見える。日本時間の2020年3月9日午後に筆者撮影
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 一方、今回、記者が取材したドイツ・ニュルンベルクのembedded world 2020(2月25~27日)は、MWCと同時期に行われるものの、MWCと比べると規模が小さく、出展者/来場者の中国系の比率が低いこともあり、予定通り開催された。複数の大手半導体メーカーなどが出展を辞退し、ブースが予定されていた場所は大きな休憩スペースになっていたが、主催者発表では900社が出展したとのことである(関連記事一覧「新型コロナで揺れるembedded world 2020」)。

 ドイツを出国し、2カ国目に滞在中、事態は急変した。欧州での感染者が急増し、3カ国目のイベントが開催1週間前を切ってから中止が決まった。そして、記者は2カ国目から東京に帰国することになった。この頃には航空会社によっては、「安価な航空券でも無償または少額の手数料で変更や解約できる」と、発表していた。今回の出張では、日本と欧州間(日本→ドイツ、3カ国目→日本)は日本の航空会社でチケットを買い、欧州内(ドイツ→2カ国目、2カ国目→3カ国目)は欧州の航空会社でチケットを買っている。分けて買っているのはその方が全体として安価だったからだ。どちらのチケットも途中まで使っている。それでも、残っている分に対しては、払戻額がありそうだった。

 日本の航空会社で買った、復路(3カ国目→日本)のチケットは2区間からなる。3カ国目のイベント開催地(以下、L地)~3カ国目の日本の航空会社乗り入れ地(以下、P地)、およびP地~東京の2区間である。記者はL地には寄らずに、2カ国目からP地に直接移動し、P地から帰国しようと考えた。ネットで調べると、2カ国目からP地に移動するチケットは安価で手に入ることが分かった。が、日本の航空会社で買った帰路(P地~東京)のチケットの2区間目だけ使うことは、経路変更となり、無償または少額の手数料の対象ではない、とその航空会社のホームページでは表示された(変更は基本的に日程だけのようだ)。

 一方でその表示とは別に、「特殊な変更などに関しては相談を」との文言もあった。そこで、相談窓口と思われる番号に電話してみた。待ち行列が長くて相談ができない。いくつかの電話番号を試すが、どれも同じだ。電話料金も気になるし、時間ももったいない(その分、記事執筆時間が減少する)。新たに購入するチケットで2カ国目からP地に移動して、P地で日本の航空会社のカウンターで交渉すれば乗せてもらえそうな気はしたが、ルール上は「乗らない区間があると、その先の旅程はキャンセルになる」。このルールが厳正に適用されると、P地で右往左往するリスクがある。

 このため、上述の変更は諦めた。そして、2カ国目から日本へ帰るチケットを日本の航空会社の欧州Webサイトで新たに購入することにした。日本へ帰国する日が週末でなかったためか、欧州で買うチケットだったからかは不明だが、日本で買う往復週末のチケットよりもかなり安価だった。2カ国目と日本の間には直行便がなく、ドイツ経由だった。ドイツでの乗り換え待ち時間は6時間と長かったが、その待ち時間にようやくホッとできた。日本には当初予定よりも5日早い3月9日に着いた。

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