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 政府が2020年9月から期間限定で実施するマイナンバーカードを活用した消費活性化策「マイナポイント」の広報活動が始まった。国民がマイナンバーカードを取得して特定のキャッシュレス決済とひも付けると、利用額の25%が利用した決済手段のポイントや残高などで還元される制度だ。

 ここにきて新型コロナウイルスの拡大が制度推進の懸念材料として浮上している。政府は2020年3月初め頃に放送されたラジオ広告やインターネット上での広報サイトで、早めのマイナンバーカード取得を呼びかけていた。

 カードはオンラインでも申請できるが、市区町村役場での窓口発行が多くなるとみられている。政府は制度の終了予定である2021年3月末までに新たに4000万枚以上のマイナンバーカード発行を見込んでいる。制度開始の半年前から広報活動を始めたのは、窓口事務などの混雑を避ける狙いだった。

多くの自治体がマイナンバーカードの受取時期を延期するなど、窓口業務を避ける対策を取り始めた。山口県山陽小野田市の告知
多くの自治体がマイナンバーカードの受取時期を延期するなど、窓口業務を避ける対策を取り始めた。山口県山陽小野田市の告知
出所:山陽小野田市役所
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マイナポイントは新型コロナの経済対策になるのか

 しかし新型コロナウイルスの拡大で、2020年3月下旬から状況が一変した。多くの市区町村が感染拡大防止のため、2020年3~4月を避けてカードの新規取得や更新の手続きをするよう要請を始めたのだ。このまま外出自粛や感染対策が長期化すると、カードの取得が進まない可能性が出てきた。

 社会情勢が一変したことで、「25%還元」の効果や意義も問い直されるだろう。マイナポイント制度の本来の狙いは、2020年6月で終了する「キャッシュレス・消費者還元事業」に続く、増税後の消費活性化策だった。2020年夏に開催予定だった東京オリンピック・パラリンピック後に予想されていた消費の落ち込みを防ぐ狙いである。これに相乗りする形でマイナンバーカードの普及促進が政策目的に加えられた。