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 2021年3月、東京都新宿区の新宿中央公園に1台の装置がこつぜんと姿を現した。一見するとスクリーンがあり映像が流れているので、デジタルサイネージ装置のようである。

 実際この装置にはデジタルサイネージ機能があり、東京都の告知動画を放映している。また画面はタッチ操作に対応しており、都のインスタグラムアカウントに投稿された写真を見られる。充電用USBポートもあり、スマートフォンなどのデバイスを充電できる。

 実はこれ「スマートポール」と呼ぶ装置である。新宿中央公園のスマートポールはシスコシステムズが設置したものだ。2020年に東京都が西新宿エリアにおける先行・試行設置および検証という位置付けで協力事業者を募り、その1社に選定された。先日、新宿中央公園へこのスマートポールの見物に出向き、シスコに搭載機能や特徴を聞いた。

シスコシステムズが新宿中央公園に設置したスマートポール。場所は公園東側、公園内施設SHUKNOVA(シュクノバ)の近く
シスコシステムズが新宿中央公園に設置したスマートポール。場所は公園東側、公園内施設SHUKNOVA(シュクノバ)の近く
(撮影:日経クロステック)
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スマートポールで放映している映像の例
スマートポールで放映している映像の例
(出所:シスコシステムズ)
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超高速モバイルインターネットにつながるポイント

 現在、西新宿エリアにはシスコが設置したものを含め合計9台のスマートポールが設置されており、形状や機能は事業者によって異なる。

 スマートポールの名は、東京都の「TOKYO Data Highway基本戦略」に出ている。同戦略は、世界最速のモバイルインターネット網の建設に着手し、5Gネットワークを早期に構築するというものである。この中で5Gの重点整備エリアとして西新宿が挙げられており、スマートポールの設置がうたわれている。先行・試行設置されたスマートポールは、5G通信機能とWi-Fi機能の搭載が必須、充電機能とサイネージ機能が原則搭載してほしいものになっている。その他の搭載機能は、協力事業者の提案に基づく。

 新宿中央公園のスマートポールは、上部に5Gアンテナを内蔵可能だ。2社のアンテナを収容可能で、うち1社はNTTドコモを予定している。5Gアンテナの搭載はこれからで、6月から4.5GHz帯で5Gの電波を出す予定になっている。また本体内にWi-Fi機能を搭載しており、この後、無線LAN規格「IEEE 802.11ax」に基づく高速のWi-Fi 6に対応するフリーの無線LANインターネット接続サービスの提供を開始する予定だ。