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 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が2022年4月、CCCとグループの主要子会社の経営体制を刷新した。注目はCCC本体の取締役に登用した幹部2人と、共通ポイント「Tポイント」の運営会社における経営陣の刷新だ。Tポイントの苦境が深まるCCCは、経営陣刷新を局面打開のきっかけにできるのか。

 新経営体制は2022年3月末に開いた株主総会と4月1日の取締役会を経て始動した。今回の人事でひときわ目を引くのが、CCC本体の取締役に起用した2人の幹部だ。CCCは「次代を担っていく役員」としており、CCCの創業者である増田宗昭社長兼CEO(最高経営責任者)の後継者候補といえそうだ。

長男の宗禄氏が専務取締役に

 1人が代表権を持つ副社長兼COO(最高執行責任者)に就いた高橋誉則氏だ。高橋氏は1997年にCCCに入社。祖業であるTSUTAYAのフランチャイズ本部で現場を経験し、2006年に33歳の若さでCCCキャスティング社長に就任。その後、CCC執行役員やTSUTAYA常務取締役などを歴任し、2021年にデータを活用して出版業界の変革を担うグループ会社のCatalyst・Data・Partners社長に就いていた。CCC関係者は高橋氏について「社内外からの信頼が厚い」と評す。

CCC副社長兼COOの高橋誉則氏
CCC副社長兼COOの高橋誉則氏
(画像出所:CCC)
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 もう1人が専務取締役に就任した増田宗禄氏。宗禄氏は増田社長の長男。CCCの社外監査役や社外取締役を経て、2021年に専務執行役員コーポレート本部長に就いていた。今春の人事でコーポレート本部長に加えてCFO(最高財務責任者)も兼務する形になる。

CCC専務取締役兼CFO兼コーポレート本部長の増田宗禄氏
CCC専務取締役兼CFO兼コーポレート本部長の増田宗禄氏
(画像出所:CCC)
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 こうしたCCC本体の経営体制刷新と並んで、注目なのがTポイントの運営会社であるTポイント・ジャパン(TPJ)の役員人事だ。Tポイント事業を長くけん引してきた北村和彦氏が代表権を持たない会長になり、TPJの常務取締役だった杉浦敬太氏が社長に昇格した。杉浦氏はCCC副社長に就いた高橋氏と同期で、CCCの社長室長などを経験している。

 さらに、ソフトバンク側から1人、Zホールディングス(HD)側から2人の計3人をTPJの取締役として受け入れていたが、2022年3月末で全員が退任した。両社は合わせてTPJの35%弱の株式を保有していたが、2022年3月末に全保有株式をCCC側に売却し、資本関係を解消した。

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 ZHD傘下のヤフーは2022年3月末に一部サービスを除き、各種サービスとTポイントの連携を終了し、「PayPayポイント(旧PayPayボーナス)」に切り替えた。ソフトバンクも同じタイミングで、毎月の通信料などに応じてたまるポイントをTポイントから「ソフトバンクポイント」に変更した。