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 米Intel(インテル)の新CEO Pat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏がオンライン会見「Intel Unleashed: Engineering the Future」(米国時間の2021年3月23日に開催)で、同社の製造戦略「IDM 2.0」を発表した*1。この会見で、同社だけでなく米国の半導体製造能力の確保と、半導体パッケージング技術の重要性を繰り返し訴えた。前者は半導体製造能力がアジア、特に台湾TSMCに偏っていることへの懸念、後者は半導体製造プロセス微細化(いわゆるMooreの法則)の終焉(しゅうえん)を象徴している。

IDM 2.0を発表したPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏
IDM 2.0を発表したPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏
(出所:Intelの会見からキャプチャー)
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 Gelsinger氏の会見では、大きく3つのことが説明された。同社の次期プロセス(7nmプロセスで、同社の主張では他社の5nmプロセス相当の微細化レベル)の進捗状況と、製造戦略のIDM 2.0、そして製造能力の増強(工場の増設)である。

今回の会見で3つのトピックが説明された
今回の会見で3つのトピックが説明された
(出所:Intelの会見からキャプチャー)
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 1つ目のトピックに関しては、7nmプロセスで使い始めるEUV露光装置、および7nmで製造予定の2つのチップの開発状況が説明された。同社は7nmプロセスで初めてEUV装置を使う*2。微細化で競合する台湾TSMCや韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は7nmプロセス(Intelの10nmプロセス相当)からEUVを使っており、Intelは1歩遅れた。Gelsinger氏は、「EUV技術が成熟するのを待っていた。7nmを適用すべき時が来た。(EUV露光装置の唯一のメーカーである)オランダASMLとは良好な関係にあり、EUVを使った7nmプロセスでの量産を2023年に大々的に展開する」と述べた。7nmのスケジュールは、前CEOのRobert Swan氏が20年7月に発表したものとほぼ同じである*3