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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自動車各社の今期(2021年3月期)の業績は総崩れだろう。窮地に陥るのが、恐らく日産自動車とマツダである。仮に“救済”が必要となれば、新型コロナ危機後(アフターコロナ)に余力を残すだろうホンダとトヨタ自動車の登場がふさわしい。

(出所:日産)
(出所:日産)

 20年の自動車販売は、リーマン・ショックを大きく上回る歴史的な減少幅になりそうだ。調査各社は、前年比15~20%の大幅減を予測する。国内自動車全社の売り上げが激減するはずだ。

 中でも大幅な営業赤字の可能性があり、苦境必至とみられるのが日産である。もともと厳しい業績の中、新型コロナ危機が直撃した。JPモルガン証券の岸本章氏は、日産の今期営業利益を2850億円の大赤字と予測する。前期(20年3月期)も赤字の可能性があり、2期連続があり得る情勢である。

 日産がつらいのは、新型コロナ危機に耐える余力が少ないことだ。実質的な手元資金を示すネットキャッシュが、4000億円を下回っているとの分析もある。19年12月末時点の8000億円超から半減だ。最近、複数の銀行に5000億円規模の融資を要請したとの報道が飛び出す。苦しい台所事情の表れにみえる。

 マツダも、今期は数百億円から1000億円近い営業赤字になる可能性がある。新型コロナ危機で、約20万台の販売減に直面するかもしれない。加えて、欧州のCO2排出量規制による罰金が発生するリスクが残る。手元資金はもともと少ない。新型コロナ危機が長引くほど、事態は切迫する。

 一方、新型コロナ危機を乗り切る筆頭とみられているのがトヨタである。今期の営業利益は前期比4~5割の大幅減と厳しい予想が多いが、それでも1兆2000億~1兆5000億円を確保するとみる向きが大勢だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本浩一氏は、「現状では1兆円を下回る可能性は低い」と分析した。

 ホンダの営業利益も4~5割減との見通しが聞こえてくるが、2輪事業が下支えして4000億円前後は見込めそうである。十分に持ちこたえられるし、自動車全社が落ち込む中で相対的に優位に立つ。

 もしマツダに“救済”が必要になれば、その担い手はもちろんトヨタである。資本提携をしており、その延長で済む。話は単純だ。