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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府は外出自粛・在宅勤務の要請を強める一方だ。主に都内に本社を持つ一部の企業は国や東京都の旗振りの下、4年越しで東京オリンピック・パラリンピックにおける交通緩和に向けてテレワーク環境を整備してきた。そうした企業か否かにかかわらず、今や日本全国の企業が降って湧いた新型コロナ禍で突然のテレワーク・在宅勤務を要請されている。

3つの調査をピックアップ

 実際、どの程度テレワークが進んでいるのだろうか。最近の調査から3つの数字をピックアップしてみた。5.6%、26.0%、9割弱――である。ずいぶん差がある。

 ピンとくる方がいるかもしれないが、最初の5.6%は2020年3月31日~4月1日に厚生労働省がLINEと共同で実施した「新型コロナ対策のための全国調査」において、「仕事はテレワークにしている」と回答した人の割合である(対象は15歳以上の2409万7701人)。厚労省は4月4日の公表資料のサブタイトルで「テレワークも進んでいない」と言い切った。

新型コロナ感染予防のためにしていること(複数回答)
新型コロナ感染予防のためにしていること(複数回答)
(出所:厚生労働省)
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 2番目の26.0%は東京商工会議所が2020年3月13日~31日に会員企業1万3297社にアンケート調査(1333社が回答)したところ、テレワークを「実施している」と回答した企業の割合である。従業員規模が大きい企業ほど実施率が高く、「実施検討中」とした企業は19.5%だったという。4月8日に公表した。

テレワークの実施状況
テレワークの実施状況
(出所:東京商工会議所)
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 3番目の9割弱は、日本CTO協会が調査した結果、テレワークを「一部でも導入している」と回答した企業の割合である。2020年2月1日~2月25日に会員企業400社と上場企業の時価総額上位1000社に対してアンケート調査し、149社から回答を得た。

 同協会は300人以上のCTO(最高技術責任者)が所属する一般社団法人。CTOとは自社のコアビジネスに直結する製品やサービス、システムで使う「技術」全般を取り仕切る責任者のことだ。技術を選定したり、いつ技術を置き換えるかを計画したりするほか、技術者組織の運営に責任を持つ場合もある。

 日本CTO協会の調査だけ突出して高い。なぜだろうか。

デジタル売上高が4割以上でようやく「デジタル企業」

 実は「9割弱」という数字は一般には公表していない数値である。同協会が語感から「CTOの日」として定めた4月10日に公表した調査結果には、「ソフトウエア技術者が個人の判断でリモートワークできる」企業の割合を載せている。その割合はデジタル企業が42.2%で、非デジタル企業が30.8%。11.4ポイントの開きがある。

ソフトウエア技術者が個人の判断でリモートワークできる割合
ソフトウエア技術者が個人の判断でリモートワークできる割合
(出所:日本CTO協会)
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