ホンダがレベル3の自動運転技術、トヨタ自動車がレベル3を見据えた運転支援技術(レベル2+)を相次ぎ投入する裏で、開発を支えた部品メーカーの競争も激しい。とりわけ注目したいのが、ホンダのレベル3に中核部品を提供する日立Astemo(アステモ)である。デンソーなどメガサプライヤーと競えるか否かの分岐点に立つ。
日立アステモは、2021年3月にホンダが発売した新型「レジェンド」で、レベル3の車両の動きを制御する主ECU(電子制御ユニット)を開発した。前身の日立オートモティブシステムズとホンダ系のケーヒン、ショーワ、日信工業が経営統合し、21年1月に始動したばかり。レベル3の開発経験を契機に、メガへの飛躍をもくろむ。
ただし、主ECUとつながる2個の副ECUは、ドイツContinental(コンチネンタル)などの欧州メガが開発したとみられる。レベル3の中核の1つである高精度地図用ECUについても、別の国内メーカーが開発した。日立アステモのメガへの挑戦は、緒に就いたばかりだ。
一方、トヨタが燃料電池車「MIRAI(ミライ)」とレクサス「LS」に採用した新機能「Advanced Drive」において、デンソーが手掛けた中核部品は多岐にわたる。開発領域の広さで日立アステモとの差は歴然だった。
センサー情報を集約して車両を制御する2種類のECUに加えて、高精度地図を搭載する自車位置推定ECUがデンソー製だ。センサーについてはミリ波レーダーの一部はContinental製のようだが、LiDARやステレオカメラなどの多くをデンソーが手掛けた。