先日、子供の誕生日にトイカメラをプレゼントした。「トイ」と言っても写真や動画を撮影できる、れっきとしたデジタルカメラだ。一般的なコンパクトデジカメやスマートフォンの画質には及ばないが、自撮りやセルフタイマー、SDカードへの保存といった機能を一通り備えている。エフェクトやフレームを付けて撮影したり、液晶ディスプレーでミニゲームが遊べたりもできる。子供はかなり気に入ったようで、出かけるときは必ず持ち歩いている。
こうした玩具は、一昔前までは良くも悪くも「子供だまし」な製品が多かった。姿形は大人向けの製品に似ているものの、機能が極めて簡略化されたものだったり「ローテク」だったりした。しかし最近では、大人顔負けの高機能製品が続々と登場している。
子供の多くは、とりわけ「大人の持ち物」にあこがれる。携帯電話に似た形の玩具は昔からあるし、最近ではスマホやタブレット端末型の玩具も増えている。筆者の子供も、親がパソコンを使っていると触りたがるようになった。とはいえ、未就学の子供にパソコンを触らせるのは抵抗がある。
そこで筆者が昨年のクリスマスにプレゼントしたのが、ノートパソコン型の玩具だ。
本物のパソコンと同様に、マウスとJIS標準配列準拠のキーボードを備える。ディスプレー上部にはカメラも付いている。インターネット接続の機能こそないが、ゲームや学習プログラムなど110ものコンテンツを搭載している。マウスやキーボードの操作を覚える「パソコン」やプログラミングの考え方をパズル感覚で学ぶ「プログラム」、定番科目「さんすう」「えいご」「こくご」などだ。ゲーム内で床に置いてあるおもちゃや服などを決められた場所に片付ける「せいかつ」や、マウスで絵を描く「ずこう」などもある。
プレゼントした当初は「機能もボタン(キー)も多いので、遊び方が分からずに投げ出してしまうのでは」と心配していたのだが、親が教えなくても1人で遊び方を覚えてプレーするようになった。子供が遊んでいる様子を見て興味深く感じたのが、コンテンツをプレーするとコインがもらえる仕組みだ。このコインを使うことで家の内装を豪華にしたり、町を発展させたりできる。こうした「やり込み」の要素も子供の関心を引き付けているようだ。延々と遊び続けるので、今では「休みの日に1日30分」という制限を設けている。
少子化が進んでいる今、テレビゲーム以外の玩具は「衰退市場の製品」という印象を持っている人は少なくないと思う。しかし意外にも、日本の玩具市場は再成長しているのだ。