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 トヨタ自動車とNTTグループは、コネクテッドカー(モバイル通信の機能を備えた車両)向けのICT(Information and Communication Technology)基盤の構築に向けて、共同で技術検討と実証実験に取り組んでいる(図1)。その取り組みの中で開発したのが、特定エリアに存在する車両を高速に検索する技術「高速時空間データ管理技術」だ。この技術が独創的で面白い。

図1 実証実験に使った実験車両の一例
図1 実証実験に使った実験車両の一例
(出所:トヨタ自動車)
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 コネクテッドカー向けのICT基盤とは、「コネクテッドカーと接続し、コネクテッドカーから情報を収集し、それらを蓄積・分析し必要に応じてコネクテッドカーに情報を提供するための基盤」のこと。同基盤を利用すると、例えば、先行するコネクテッドカーのカメラが捉えた周囲の動画を収集し、その動画から路上の障害物の位置を認識してそれを後続のコネクテッドカーに知らせることができるようになる。

 さらには、多くのコネクテッドカーから速度や位置、進行方向といったプローブ情報を取得して分析し、渋滞が発生している領域を特定することが可能になる。それに加えて、その領域を走行しているコネクテッドカーから車両周囲の動画データやウインカーの点滅状態などの情報を収集すれば、車線別の渋滞の有無や渋滞の末尾を明らかにすることもできる。

 もっとも、そうした利点を生かすには、プローブ情報を集めた多くのコネクテッドカーの中から、その時間に特定エリアに存在する車両を素早く見つけ出さなければならない。そのために必要なのが、冒頭の高速検索技術だ。

 実は、高速に検索するだけなら、日付・時間や緯度・経度をインデックスとした階層構造を用いて各車両のデータを格納するという方法もある。だが、この方法では、データの格納に時間がかかるという。データを収集する車両を追加する場合、必要に応じてデータの階層構造に変更を加えなければならないためだ。コネクテッドカー向けICT基盤では、多くの車両からプローブ情報に加えて動画などの大容量データを収集する。当然、データを格納するスピードも速くなければならないのだ。