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 社会人になり1年がたったが、不要不急の外出を自粛する生活が続く。出社する機会もほとんどなく、社外での新しい出会いもない。そんな寂しい生活から脱却すべく、人気マッチングアプリの1つである「Pairs(ペアーズ)」を利用してみた。

 アプリ画面には、候補となる人のプロフィルに年齢や参加しているPairs内の活動(「コミュニティ」と呼ぶ)、一言コメントなどに加えて「相性87%」という具合に自分との相性度が表示される。毎日「あなたへのおすすめ」として複数人をリコメンドしてくれる。「会ったこともないユーザーをおすすめし、相性まで出してくれるのか」と感心した。

 知らない人とマッチングするのに不安はあった。なりすましなどに遭ったら怖い。調べると、Pairsは生体情報サービスなどを手掛けるLiquid(リキッド)の「LIQUID eKYC(electronic Know Your Customer、電子的本人確認)」という技術を用いていることが分かった。銀行の本人確認にも採用される同技術で、なりすましを防止している点に好感を抱いた。何を根拠に相性を提示しているのかにも興味が湧いた。

2段階で本人確認、AIで不適切行動を検知

 「eKYC」はオンラインで行う本人確認の鍵となる技術で、金融機関や入国管理でも用いられており「精度の高さは折り紙付き」(Pairs運営会社のエウレカ広報)という。LIQUID eKYCは、最近では2021年3月に相次いで始まったNTTドコモの新料金プラン「ahamo」とKDDIの同「povo」の契約時に行う本人確認にも採用されている。

 この技術を用いたPairsアプリの本人確認は2段階から成る。まず運転免許証など写真付き本人確認書類をスマートフォンで撮影した後に、アプリに本人の顔の画像を読み込ませる。後者のステップにより実在性を担保し、安全性が増すという。

 アプリ経由で提出する本人確認書類の写真は、エウレカのカスタマーサポートが24時間体制で目視による確認をしている。本人の顔を撮影する際にはアプリから「首を左右に振ってください」などの指示が出る。これにより、マネキンや絵ではなく実在する人間であることを確認する。

アプリで顔を撮影する画面例。首を振ったり口を開けたりするよう指示して実在する人間であることを確認する
アプリで顔を撮影する画面例。首を振ったり口を開けたりするよう指示して実在する人間であることを確認する
(出所:エウレカ)
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 2段階の確認作業をパスしたユーザーに、本人確認済みであることを示すバッジを付与する仕組みだ。このバッジはプロフィル画面などに表示される。

 安心・安全を担保する仕組みは本人確認以外にもある。エウレカは、マッチング目的以外でアプリを利用しているユーザーの行動パターンが似ていることに着目し、過去の行動パターンを分析した。分析したパターンに似た行動を取ったりPairsで設定しているNGワードを使ったりすると、AI(人工知能)が「不適切な行動の人物」としてアラートを出す仕組みだ。

「コミュニティ」で自分を表現

 アプリの使い方は簡単で、本人確認後に自分の写真や年齢、趣味などのプロフィルを設定するだけだ。その後アプリを起動すると、画面に候補の人がプロフィルとともに表示される。こうしたプロフィルを見て気に入れば「いいね」を送る。「いいね」が返ってくるとマッチングし、メッセージのやり取りや通話ができるようになる仕組みだ。

 自分の趣味やライフスタイルなどに合う「コミュニティ」に入るとプロフィル上に表示できる。同じコミュニティに参加しているユーザーを検索する機能もある。コミュニティは27のカテゴリーに分かれており、自分を表現しやすく相手を理解する手掛かりにもなる。

Pairsの画面例。「ダンスが得意です」や「週末の散歩が趣味」など様々な「コミュニティ」がある。審査を通過すれば誰でもコミュニティを作成できる
Pairsの画面例。「ダンスが得意です」や「週末の散歩が趣味」など様々な「コミュニティ」がある。審査を通過すれば誰でもコミュニティを作成できる
(出所:エウレカ)
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