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 クルマを運転しているときに、ハザードスイッチの設置場所を気にしたことがありますか。路肩に駐車するときや高速道路で渋滞の最後尾についたときなどに、ハザードランプを点滅させるスイッチのことです。緊急時に使うこともあるため、押しやすい場所にあることが重要になります。

 本田技術研究所に勤める和歌森隆史氏によると、ハザードスイッチには押しやすいものと押しにくいものがあるそうです。同氏は自費で、2021年に発売された新型車177台をレンタカー店で借り、それらの車両に設置されているハザードスイッチの設置場所を調べました注)

注)和歌森氏の取り組みは、22年4月1日深夜(4月2日午前0時20分から)に放送された番組「タモリ倶楽部」で紹介されました。

 その結果、最も押しやすいハザードスイッチを設置しているのは、ホンダの小型SUV(多目的スポーツ車)「ヴェゼル」とのことです(図1)。ホンダ関係者が自社のクルマを選んだことを「身内びいき」と思うかもしれませんが、判定理由は納得できるものでした。

ヴェゼル
図1 ホンダの小型SUV「ヴェゼル」
(出所:ホンダ)
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 和歌森氏はハザードランプの押しやすさを、(1)置き場所(2)形と大きさ(3)他のスイッチとの位置関係(4)色(コントラスト)──という4つの基準で判定しました。

 第1の押しやすい置き場所とは、運転者の手から近く、高い位置にあることです。運転者が前方から視線を大きくそらさずに押せるからです。第2の押しやすい形と大きさとは、面積が広いことはもちろんですが、横長であることです。手は主に横に動くため、縦長よりも横長のほうが押しやすいといいます。