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 熊本空港から車で15分ほど離れた熊本県菊陽町で現在大規模な工事が実施されている。世界最大の半導体受託製造企業、台湾積体電路製造(TSMC)が過半を出資した「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)」の工場建設だ(図1)。2023年4月に熊本市で別件の取材があった。「熊本市に行くなら外せない」ということで、その建設現場を外から見てきた。

図1 JASMの建設現場
図1 JASMの建設現場
熊本空港に着く直前の飛行機内からの写真(写真:日経クロステック)
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 田畑が広がる、のどかな道を車で進んでいくと、「セミコンテクノパーク」と記された看板が見えてきた。看板の案内に従って進んでいくと、巨大な建造物が突如姿を現した(図2)。

図2 JASMの正面図
図2 JASMの正面図
(写真:日経クロステック)
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 その建物の右肩には、「JASM」という文字が大きく描かれていた。この建物に続く道の左右には、全く違う景色が広がっていた。道の右手は田畑。視界を遮るものは何もない。一方の左手は要塞のようにそびえ立つJASMの建物だ(図3)。

図3 車内からの様子
図3 車内からの様子
(写真:日経クロステック)
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 そのまま車を直進させ、工場の横を走った。JASMの社名が刻まれた建物は巨大な工場のほんの一部だった。この建物を通りすぎると、外壁こそまだできていないが、巨大な棟が見えてきた(図4)。後でJASMの完成イメージと照らしてみたところ、どうやら半導体製品を製造するFAB棟であったようだ。FAB棟の先にもう1棟建設中の建物があり、そこが敷地の端であった。工場の敷地面積は東京ドーム4.5個分に相当する約21.3ヘクタールで、FAB棟やオフィス棟といった4棟の他、ガスヤード、駐車場ができる予定である。

図4 JASMの正面やや右側からの撮影
図4 JASMの正面やや右側からの撮影
JASMの完成イメージと照らすと、正面のJASMが書かれている建物がCUP棟、その奥の建物がFAB棟だと思われる(写真:日経クロステック)
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 作業現場の出入り口を眺めていると、人やトラックがひっきりなしに出入りし、その流れが途絶えることは無かった。建設現場の近くには、建設会社の仮設事務所のような建物も建設されていた(図5)。

図5 建設現場から出てきた作業員の様子
図5 建設現場から出てきた作業員の様子
建設現場から出てきた作業員が奥に見える事務所のような建物に向かって歩いていた(写真:日経クロステック)
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 JASMの建設現場の近くにいた方に話を聞いてみると、「写真を撮りによく人が来ている」と言う。筆者が訪れたときも、写真を撮影している人を見かけた。