平成最後の日である2019年4月30日。鉄道好きの筆者は、大阪府内を走るJRおおさか東線の放出駅~新大阪駅を散策することにした。3月16日に開業したばかりで、平成最後の鉄道新線区間に当たる。平成の締めくくりにふさわしいと考えた。
もう一つの目的は、平成最後の日の「31.4.30」という表記の切符を手に入れることだった。だがこれは果たせなかった。この日購入した8枚の切符は全て和暦ではなく、「2019.4.30」という西暦表記だった。
JRの駅では自動券売機とみどりの窓口で購入したが、いずれも西暦表記。私鉄の阪急電鉄や南海電気鉄道も西暦。最近まで公営だった大阪メトロの切符に望みをかけたが、これも西暦表記だった。
ちなみに翌日の令和元年5月1日の切符も「2019.5.1」という西暦表記のものしか手に入らなかった。鉄道各社が西暦表記に切り替えつつあることは認識していたが、和暦表記がここまで廃れているとは知らなかった。
鉄道業界で進んだ和暦離れ
改めて自宅に保存してある切符を掘り出して調べてみた。手元にある限りでは、JRグループの切符は2018年(平成30年)後半までは和暦のものばかりだった。だが今年3~4月の切符は西暦に変わっていた。
私鉄はJRより早めに切り替えたところが多いようだ。名古屋鉄道と福井県のえちぜん鉄道で2010年に既に西暦になっているものがあった。南海電気鉄道や東武鉄道、西武鉄道も2016~2017年の西暦表記の切符があった。
鉄道業界ではJRも私鉄も、多くが改元日までに和暦から西暦表記への切り替えを済ませたようだ。