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 ただし、起業を支援する環境は急ピッチで充実しつつある。スタートアップスタジオは日本でも増えつつあり、現在は20~30存在するという。2022年4月にはスタートアップスタジオ協会が本格的な活動を始め、地方への展開も視野に入れる。起業への挑戦者が少ないという課題は徐々に解決される可能性がある。

 起業の種についてはどうか。「SaaS管理については工数を取られていたので、課題が明確に見えていたが、それ以外にもIT部門には起業の種が多く存在しているのではないか」と名和氏は話す。普段の仕事の中に、起業の種は実はけっこうあるのかもしれない。

 起業には失敗のリスクも当然ある。「大丈夫かな、この先、という不安は当然あった。しかし、zoobaの事業が困難になったとしても、必ずプラスになると前向きに捉えている。こんな経験ができるのはありがたいし、関わることができる人もすごく増えた。何が失敗だったのかは、後で自分で決めればいい」と名和氏は言い切る。

 筆者が関わるFinTech分野でもスタートアップは欠かせない存在。名和氏のようなキャリアが「普通」に見えるような状況にならない限り、革新的なサービスは生まれにくいし、起業後進国から脱するのも難しいだろう。