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銘菓とともに届いた「力の源」

 「システム部門は何をどう頑張ってもプロフィットセンターにはなれない。でもプロフィットを全社横断で押し上げる位置にいる」「利用部門と一緒に苦労して『チーム』になりたい。『寄り添う』というと上から目線」「システム開発に終わりはない」――。

 嶺沢氏が言葉を続けるなか、筆者は鷲沢氏に聞いてみた。決して短時間労働ではない日々をどう感じているかと。すると「楽しくてしょうがない」と。「利用部門とぶつかったり、作っても使われなくなったりすることもあるが、信頼されるのは力になる」と鷲沢氏は続けた。

 「力」の1つとして見せてくれたのが、この5月に届いた手紙だ。「お忙しいなかでも快くご対応いただき、またお願いしてから短い期間で作成していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました」――。差出人は九州支店の現場社員で、直の依頼を受けて参照系ツールを納品した相手だという。「手書きのお礼状をいただいたのは初めて。ある意味表彰状よりうれしい」と2人は感激していた。手紙とともに送られてきた博多銘菓の「めんべい」はまだ少し残っているという。

九州支店から銘菓の「めんべい」とともに送られてきたサンキューレター
九州支店から銘菓の「めんべい」とともに送られてきたサンキューレター
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 定性的な評価が人を動かすのは間違いがないようだ。サービス開発のスピードが問われる今、記者が追うべきは数字だけではない――。筆者はこれまでの取材を反省しつつ、それでも最後に聞いてみた。「それで、定量的な効果は?」。

 嶺沢氏は「2人で内製したアプリケーションを外部に頼むとざっと年間で約7000万円。それだけ外部流出費を抑えられた。しかも納品まで最長2週間で段違いで速い」と即答。「効果がコストに見合わないアプリケーション保守はどんどん切っている。ハードもクラウドに移行して費用削減に努めている」と続けた。

 サカタのタネは今後の展開として基幹系システムの刷新を控える。その際は基幹系と周辺システムとの連携にはEAIやBIを活用し、FAX受注データと基幹系のつなぎ込みにはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を新たに使う意向という。2人が進めるグローバル企業のIT改革からはまだ目が離せないようだ。

■変更履歴
サカタのタネからの申し入れにより、一部の画像の掲載を取りやめました。 [2019/06/13 11:20]