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 2021年5月25日、Loop Japan(ループ・ジャパン、横浜市)が循環型ショッピングプラットフォーム「Loop」の実証実験を開始した。Loopは日用品や食品などの容器を回収・再利用する仕組みによって循環型社会(サーキュラーエコノミー)の実現を目指すもの。日本では20年秋に試験運用を開始する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大などの影響もあり、開始時期が遅れていた。

 日本での実証実験ではまず、ショッピングセンターのイオンでの販売・回収を開始し、21年夏にはLoop独自のECサイトを立ち上げる。独自ECサイトでは関東地域の5000世帯に限定してサービスを開始する予定である。

 イオンでは東京都内を中心とした店舗とネットスーパーでLoop対応商品を販売する(図1)。まずは東京都内の全店(17店舗)と神奈川県、千葉県の各1店舗の計19店舗で取り扱い、21年8月までに関東の約50店舗に拡大する計画だ。

図1 Loop商品を取り扱うイオン店舗
図1 Loop商品を取り扱うイオン店舗
商品陳列棚の左にあるのが返却ボックス。(出所:日経ものづくり)
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 利用の基本的な流れは次のようになる。消費者は、Loopの店舗もしくはネットスーパーでLoop対応商品を購入する。開始時点で取り扱う商品は洗剤やシャンプー、消臭剤、ガムなど13品目(メーカーは6社)である(図2)。各商品の価格には、容器代が含まれている。

図2 実証実験の開始時に取り扱うLoop商品
図2 実証実験の開始時に取り扱うLoop商品
洗剤やシャンプー、消臭剤、ガムなど13品目(メーカーは6社)を販売する。なお、ひげそりに関しては容器代を設定せず、回収だけを行う。(出所:日経ものづくり)
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 消費者は使用後、空となった容器を店舗に持ち込む。イオンの店舗には返却ボックスが設置されており、そこでQRコードが印刷されたシールを発行し、容器に貼る(図3)。このQRコードを、事前にスマートフォンなどにインストールしておいた「Loopアプリ」でスキャンした上で、返却ボックスに容器を投入する。すると、約2週間後、容器代が消費者に返金される。

図3 返却時、容器に貼るQRコードのシール
図3 返却時、容器に貼るQRコードのシール
返却ボックスで発行し、専用アプリで読み込む。(出所:日経ものづくり)
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