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 英国のある研究機関が行った実験によると、初めて対面した人やモノなどに心が動く(好きになる)までの時間は8.2秒とのことです。これを「8.2秒の法則」と呼ぶそうです。この8.2秒をテーマにした展示会が、2021年3月23日~6月19日に東京都内で開催されました(図1)。

「8.2秒展」の会場
図1 「8.2秒展」の会場
(撮影:日経Automotive)
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 その展示会とは、国内ガラス大手のAGCと、自動車メーカーの内装デザイナーで組織する任意団体「JAID(Japan Automotive Interior Designers)」が共同開催した「8.2秒展」です。ガラスを用いた新たな内装の可能性を提案するのが狙いで、JAIDの参加メンバーから100を超えるアイデアが集まりました。今回の展示会ではその中から、事業化につながる可能性があるものを中心に、自動車6社が7作品を展示しました()。

自動車6社の7作品
表 自動車6社の7作品
(AGCの資料を基に日経Automotiveが作成)
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 東京都に3回目の緊急事態宣言が発令される前に、展示会場の「AGC Studio(東京・京橋)」でメディア向けの説明会がありました。「8.2秒で心が動くガラス作品とは、どのようなものか」、「それらの作品は、クルマの内装にどのように活用できるのか」──。こうした関心から、説明会に参加しました。

 クルマの窓ガラスの主な役割は、風雨を防ぎ、乗員の安全を守ることです。ただ、「レベル4」以上の自動運転車やMaaS(Mobility as a Service)向け無人運転車が普及すると、クルマのガラスには新たな役割が加わる可能性があります。

 例えば「レベル4」以上の自動運転車では、エンターテインメント系コンテンツを、ドアのガラスに映すことが考えられます。MaaS向け無人運転バスのような車両では、運転ルートなどの運行情報を文字や画像、映像などで窓ガラスに表示すれば、乗客の利便性が高まります。

 こうした自動運転時代に向けた窓ガラスの進化という点で筆者の「心が動いた」のは、スズキが展示した「#イイね!2」という作品でした。