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 2021年度のコンテンツ製作予算は170億ドル(約1兆8700億円)。米Netflixはもはや、映像コンテンツの一配信事業者にとどまらず、米国を代表する映像コンテンツの製作会社であることはよく知られている。その同社が、日本でもコンテンツ製作をリードする可能性が出てきた。米国などで培ったコンテンツ製作に関わる技術・ノウハウ、例えば大型LEDディスプレーやインカメラVFX(Visual Effects)などを駆使した技術を日本に持ち込み、新風を吹かせようとしている。

* Netflix:First Quarter Earnings https://s22.q4cdn.com/959853165/files/doc_financials/2021/q1/FINAL-Q1-21-Shareholder-Letter.pdf

 日本での製作に本腰を入れる証左として、同社日本法人のネットフリックスは、2021年4月から国内最大規模を誇る撮影スタジオ「東宝スタジオ」の一部を賃貸している(図1)。その理由としてネットフリックスは「将来的に日本国内発の実写作品の拡充を進めるにあたり、撮影施設が足りなくなってきていた」と明かす。

図1 「東宝スタジオ」の賃借
図1 「東宝スタジオ」の賃借
21年4月から一部施設を賃借している。主に日本国内発の実写作品の拡充が目的だが、技術発信も進めていく。(出所:ネットフリックス)
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東宝スタジオを拠点の中心に

 同社クリエイティブ ・テクノロジー部門日本・東南アジア統括の宮川遙氏によれば、日本ではコンテンツ製作に関わる最新技術を取り入れるのが「米国や英国などと比較して数歩遅れてしまっている」という(図2、3)。導入が遅れている要因の1つが、言語の壁だ。「インターネット上に情報はあるものの、基本的に英語で書かれているため知識が広まっていない」(同氏)。

図2 仮想的な空間での撮影
図2 仮想的な空間での撮影
20年配信のSF映画「ミッドナイト・スカイ」での撮影風景。大型セットやLEDスクリーンなどを利用し、仮想的な世界を再現している。(出所:ネットフリックス)
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図3 仮想的な世界の舞台裏
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図3 仮想的な世界の舞台裏
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図3 仮想的な世界の舞台裏
「ミッドナイト・スカイ」の舞台裏。巨大なLED、風景を操るシステムなどで撮影を支援する。照明なども映像に連動して動くようになっている。(出所:ネットフリックス)