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 新型コロナウイルス感染症に翻弄された激動の「2020年上半期」が終わった。下半期に向けて、勝手ながら建設業界における注目のキーワードを考えてみる。

 現場に出向かずに監督業務を行う「遠隔臨場」のように、上半期は新型コロナ対策から派生して様々な言葉が普及した。その傾向は下半期も変わらないだろう。そんな中、新型コロナとは直接関係しないものの、“急上昇ワード”として注目を集めている「グリーンインフラ」を一押ししたい。まだ認知度が低いとはいえ、20年に入ってから、例年とは比べものにならないほど、目にする機会が増えたと感じる。

 例えば、雑誌の特集テーマとして取り上げられたり、研究者や建設コンサルタントが共同でまとめたリポートのタイトルになったり――。他にも、業界団体による小冊子の作成や、全国的なシンポジウムの開催予定などグリーンインフラの話題が尽きない。

2020年は「グリーンインフラ」の冊子やパンフレットが続々と登場している。左は建設コンサルタント会社の技術者などが研究者と協働で、2020年6月に公表した技術リポート。真ん中は日本建設業連合会が20年3月にまとめた「グリーンインフラに関する調査報告書」。右は都市計画協会が発行した雑誌「新都市」の20年5月号(資料:左から総合地球環境学研究所、日本建設業連合会、都市計画協会)
2020年は「グリーンインフラ」の冊子やパンフレットが続々と登場している。左は建設コンサルタント会社の技術者などが研究者と協働で、2020年6月に公表した技術リポート。真ん中は日本建設業連合会が20年3月にまとめた「グリーンインフラに関する調査報告書」。右は都市計画協会が発行した雑誌「新都市」の20年5月号(資料:左から総合地球環境学研究所、日本建設業連合会、都市計画協会)
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 これらは、国土交通省の動きと無縁ではないだろう。国交省は20年3月、グリーンインフラの推進や普及、調査・研究、資金調達などを目的に「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」を設立した。コロナ禍にもかかわらず、登録者が500人を超えるほどの関心を集めている。

 国交省の定義によると、グリーンインフラとは自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める取り組みを指す。概念はとても幅広い。人工構造物に自然が持つ新たな機能を付加したハイブリッドインフラや、自然環境などに応じて各種のインフラを配置した土地利用計画などを含む。