先日、三菱自動車の軽電気自動車(EV)「eKクロスEV」に試乗する機会を得た(図1)。そこで感じたのが軽EVの可能性だ。
軽自動車といえば、車両価格が安く、燃料・電気代や税金などランニングコスト面でも有利なものの、我慢を強いられるクルマという印象が個人的にはある。最高出力が自主規制により47kWに制限される上、全長3.4m以下、全幅が1.48m以下、全高が2.0m以下、エンジン排気量が660㏄以下と規定されているからだ。
だが、eKクロスEVは違っていた。伸びのある加速感があり、これまでの軽自動車の走りのイメージをがらりと変えるものだった。排気量1.8~2.0Lクラスのガソリン車並みの最大トルクを持つ駆動モーターがその実現に大きく貢献している。車両が小型の登録車と比べて軽いことを考えると、シーンによっては小型の登録車の走りを上回る可能性すら否定できない。
ただ一方で、あくまでも個人的な見解だが、運転席や助手席の幅については狭さを感じずにはいられなかった。その要因の1つと思われるのが、シフトレバーやエアコンの操作パネル、電動パーキングブレーキや駐車支援システムのボタンなどを配したセンターコンソールの出っ張りである(図2)。筆者の場合は、運転席に座ると、左脚がこの出っ張りに当たってしまう。これがなければ、もっとゆったりできるだろうと残念に感じた。