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 描画性能やコントローラーの多機能化など、技術進化が著しいゲーム機。そんなゲーム業界の動きと逆行する新しいゲーム機が登場する。それがパソコン「Mac」向けソフトウエアなどを手掛ける米Panic(パニック)が開発した携帯型ゲーム機「Playdate」である。

 外形寸法は76mm×74mm×9mmと、シャツの胸ポケットに収まる大きさ。ディスプレーの画素数は400×240でモノクロ(1ビット)表示と、まるで昔の携帯型ゲーム機をほうふつとさせるゲーム機である。

「Playdate」の外観
「Playdate」の外観
(出所:パニックの公式動画をキャプチャーしたもの)
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 名称の由来となった「play date」は、保護者が時間や場所を決めて、休日や放課後などに子供らが集まって遊ぶイベントを指す。その名のごとく、Playdateでは、幼い子供でも簡単に操作できそうなシンプルな入力形態を採用している。

 十字型のキーと2つのボタンに加えて、右側面に「クランク」と呼ぶ手回しハンドルを備える。このクランクがPlaydateの最大の特徴で、スマートフォンにはない遊び方を実現する。スマートフォンに席巻されて苦境に直面する携帯型ゲーム機市場にあえて参入する逆張りの発想の面白さを含めて、ゲーム業界の流行に対するアンチテーゼのようなゲーム機だ。機能を絞り込んだ点は、テキスト入力に特化したデジタルメモ「ポメラ」を思い起こさせる。

 画面がモノクロとはいえ、古さは感じない。本体色は黄色をベースにしており、ポップな印象だ。ステレオスピーカー付きの卓上ドックも用意している。ドックにはペン立て部分があるなど、ちょっとした遊び心もある。

 ドックと一体化させると、テレビがブラウン管だった時代に存在した、小型の卓上テレビのような外観になる。任天堂の「ゲーム&ウオッチ」や「ファミリーコンピュータ」をよく遊んだ世代からすると、「古くて新しい」という印象を受ける。

ドックと一体化させた場合
ドックと一体化させた場合
卓上テレビのような形状になる。ペン立てが付いている。(出所:パニックの公式動画をキャプチャーしたもの)
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 Playdateの事業モデルも独特だ。179米ドルのPlaydateを購入すれば、週に2本、新しいゲームが配信されて、それらをプレーできる。現在のところ、発売後12週間の配信を予定しており、合計24本のゲームタイトルを準備中だ。このゲーム群を「シーズン1」と呼ぶ。シーズン1のゲームをPlaydate購入者は無料でプレーできる。Playdateは無線LANとBluetoothを搭載しており、これら無線通信を利用して、ゲームをダウンロードするようだ。

 パニックがPlaydateを発表したのは2019年のこと。ハンドル部分の改良に時間をかけたためか、当初の予定に比べて発売が遅れたものの、21年6月、ついに同年7月から予約を開始すると発表した。