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 DX(デジタル変革)に先行して取り組んでいる一般の大手企業が自らの経験を踏まえて、中小企業を支援していく。国内でDXを加速させるには今後、こうした取り組みを政府による施策などとともに講じていくべきだ――。

 記者はここ数カ月で、こうした意見を持つようになった。きっかけの1つが「テレワークの実施率が大企業で高く、中小企業で低い」といった問題に関する取材だった。取材では、テレワークの動向に詳しい有識者にこの問題をどう解決すればよいのかを尋ねた。

 解決策の案として、国や自治体によるテレワーク整備のための助成金制度の継続や、支援体制の確立などを聞くことができた。本記事で特に注目したいのは、日本生産性本部の柿岡明生産性総合研究センター上席研究員の「大企業や中堅企業が取引先の中小企業にテレワークの実施を働きかける」というアイデアだ。

 つまり、テレワークを積極的に実施している大企業が取引先の中小企業にテレワークの実施を持ちかけて巻き込むわけだ。記者はこの考えはとても良いと思っている。中小企業でテレワークに取り組もうとしても、テレワークを推進できる人材がいないなどの理由で、なかなか普及しないことが多いからだ。

 一方、テレワークの普及が進む大企業を取材すると、テレワークの推進担当者がいて、ITやデジタルの環境を整備したり、テレワークを効率的に進められるようにするノウハウを共有したりしていることが多い。

 こうしたテレワークの先進企業が取引先の中小企業を支援すれば、中小企業でもテレワークに取り組みやすくなる。テレワーク先進企業側も、取引先の中小企業とオンラインでコミュニケーションを取ったり、情報を共有したりできるようになり、連携業務の効率化が図れそうだ。