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 2020年5月、楽天モバイルの小型スマートフォン(スマホ)「Rakuten Mini」を入手した。これで手元に計5台のスマホがそろったことになる。無駄と言えば無駄かもしれないが、Rakuten Miniは「別腹」だと思っていた。

 名刺サイズの大きさで一般のスマホの半分ほどの重さ。しかも楽天モバイルが携帯電話市場に新規参入するに当たって独自に企画した旗艦モデルだ。同社の通信回線を契約すればRakuten Miniの価格が1円になるキャンペーンの開催期間中だったのも好都合だった。実は筆者にとって楽天モバイルの契約は2回線目。それもまた無駄のようだが、「端末の使い心地を自ら試すのも立派な取材だ」と称し、勇んで購入した。

筆者が購入した「Rakuten Mini」(左)。iPhone 11(右)に比べるとかなり小型だ
筆者が購入した「Rakuten Mini」(左)。iPhone 11(右)に比べるとかなり小型だ
(撮影:日経クロステック)
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 事態が急変したのは、それから間もなくのことだ。実は楽天モバイルが5月ごろから「Rakuten Miniの対応周波数を購入者に無断で変更して出荷していた」という問題が明るみに出た。自社回線では使わないが大手携帯電話会社が利用する周波数帯への対応をやめ、米国ローミング向けの周波数帯を追加していた。

 同社は6月10日に事実を認めて謝罪したが、監督官庁の総務省から詳細な報告を求められる事態に発展。さらに7月10日、電波法に違反したとして総務省から行政指導も受けた。12月末までの期間限定ではあるが、同社は再発防止策の取り組み状況を月に1度、総務省に報告しなければならないという。

ふつふつと疑問が湧いてチャット相談

 さて、ここからが本題だ。筆者が購入したのは「周波数変更後」の端末だった。報道によれば楽天モバイルは希望者に対し本体交換に応じる姿勢を示していた。実際のところ、その手続きはどんな手順になるのか。交換までの時間はどのくらいかかるのか。サポート窓口の応対はどのようなものか。ふつふつと疑問が湧いた筆者は6月13日未明、楽天モバイルのオンラインのサポート窓口「チャット相談」に、本体交換を依頼するメッセージを送ってみた。

 楽天モバイルから最初の返信があったのは同日午後である。サポート担当者はまず「ご心配とご迷惑をおかけしまして大変申し訳ありません」と述べた。そして「周波数帯は異なりますが、ローミングを含む国内外のご使用におきまして影響はございませんのでそのままご使用いただきますようお願い申し上げます」と続けた。

 至極もっともな話だ。楽天モバイルが販売した端末なのだから、同社の通信回線を使う限り大きな影響が出ないのは当然である。でも、同社がユーザーに黙って端末の仕様を変更していたのは事実だ。そこに疑問を感じた消費者も少なくないはず。筋として、希望者には本体交換に応じるべきだろう。その旨を筆者は担当者に伝えた。

 それから数日後、いよいよ交換手続きに向けたチャットの応酬が始まった。まず6月18日、「端末購入を申し込んだ時期が(楽天モバイルが今回の問題を認めた)6月10日より前かどうか」を確認するメッセージを受け取った。次いで20日には「製品箱に記載の製造品番号」と「端末情報内に記載ある製造品番号」を確認するやり取りがあった。さらに筆者は6月23日、担当者から端末の製造品番号や本体色、購入日、外装破損の有無について担当者に回答している。

 雲行きが少々怪しくなってきたのは6月27日のことだ。この日、楽天モバイルのサポート担当者から受け取ったのは「製品箱に記載の製造品番号」と「端末情報内に記載ある製造品番号」に関する質問。これは6月18日に回答済みの情報だ。とはいえ前回と担当者は別。筆者と同様の問い合わせが殺到していて、混乱しているのかもしれない。

 続く6月29日には「交換に当たっての注意事項」について説明を受けた。「データバックアップ・復元はお客様自身で操作が必要です」「ご利用端末と同様の色がくる保証はできかねております」といった具合で、筆者がその内容を了承した後、担当者から交換手続きを進める旨のメッセージを受け取った。少々時間はかかったものの手続きが終わり、後は交換品の到着を待つばかり。筆者はそう思っていた、この時点までは――。