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 国土交通省は、分譲マンションの管理組合に対して長期修繕計画の作成を推奨している。快適な居住環境を確保し、資産価値の維持・向上を図るためには、建物の経年劣化に対して適切な修繕工事などを行うことが重要になるからだ。長期修繕計画は、分譲マンションの管理組合にとって、必須項目といえる。

 実際、多くのマンション管理組合が長期修繕計画を作成している。国土交通省が5年おきに実施しているマンション総合調査の2018年度の調査結果では、回答者の9割が作成していた。適正な管理のための計画は定着してきている。

長期修繕計画を策定しているマンション管理組合の割合。2018年度(平成30年度)は9割を超えた(資料:国土交通省「平成30年度マンション総合調査」)
長期修繕計画を策定しているマンション管理組合の割合。2018年度(平成30年度)は9割を超えた(資料:国土交通省「平成30年度マンション総合調査」)

 こうした管理組合にお勧めしたいのが、長期修繕計画の先にある「利用限界」の設定だ。

 多くの管理組合は、大規模な改修を行いながら、マンションを利用し続けようと考えているのではないだろうか。しかし、いつかは建て替えなり、敷地売却なりをすることになる。具体的にその時期を決めることは難しいが、「あと何年後には利用限界が来る」ということを想定してみてはどうだろうか。管理組合として利用限界について議論することが、区分所有者に対して利用限界に関する認識を持ってもらうことにつながるのだ。

 こうした考え方は、20年8月に公益財団法人のマンション管理センターがまとめた「マンションの長期マネジメント計画策定の手引き(案)」に記されている。