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 米Microsoft(マイクロソフト)は2021年7月14日、Windows OSの仮想デスクトップ環境をクラウドで提供する「Windows 365 Cloud PC」を同年8月2日から開始すると発表した。データセンターのサーバー上に構築した仮想マシンでデスクトップ環境を稼働させ、利用者のクライアント端末に画面情報を送信する「DaaS(Desktop as a Service)」と呼ばれるサービスだ。米Amazon Web Services(AWS)なども同様のサービスを提供しているが、デスクトップOSの市場で圧倒的なシェアを持つマイクロソフトが本腰を入れるとあって大きな注目を集めている。

 今回の発表で残念だったのが、個人向けのメニューがなかったことだ。基本的には企業による利用を前提にしたもので、「Business」と「Enterprise」という2種類のプランが明らかになっている。オフィスソフトの「Microsoft 365 Personal」のような個人向けのプランは発表されていないので、現時点ではプライベートで気軽に使えるサービスではなさそうだ。

 筆者は以前、趣味の欄に「パソコン(PC)」と書いてもいいほど、仕事でもプライベートでもPCを触っていた。PCで仕事をして、ネットサーフィンをして、電子書籍を読んで、動画配信も見るといった感じだ。しかし、スマートフォンやタブレット端末を使うようになった現在では、仕事以外でPCを使う機会が激減している。

 とはいえ、スマホのデータをバックアップしたり年賀状を作成したりするのに自前のPCがないと困る。2010年製のノートPCをしばらく使っていたのだが、さすがに動作が重くなってきたので2年前に買い替えた。

 PCを新調した当初は、写真や動画の編集、アルバム作成など様々な用途での活用を意気込んでいたが、案の定あまり使っていない。現在では妻の専用機と化している。自分が使わないのにどんどん型落ちしていくPCを見るのは複雑な思いがする。

 こうした経緯もあって「個人でもDaaSを気軽に使えるようになったらいいのに」と感じるようになった。DaaSであれば必要なときだけサービスを契約すればいいし、最新スペックのデスクトップ環境への乗り換えも容易だ。個人では買えないような高性能PCのデスクトップ環境も、少ない初期投資で利用できる。

 高性能なPCがあってもそんなに使わないことは重々承知している。それでも使える環境が欲しいというのが技術系記者の性(さが)だ。DaaSはPCを購入したときのような「所有欲」は満たせないが、最新スペックのデスクトップ環境を使っているという「利用欲」を満たせる。誰もがそう感じるわけではないにしても、理解いただける読者の方々もいるのではないか。