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 コロナ禍による在宅勤務が本格化してからそろそろ1年半になる。Web会議やサイズが大きいファイルを扱う作業などに対応するため、PC環境や通信環境を一部あるいは全面的に変えた人もいるだろう。PCや通信に関連した新製品・新サービスは次々と登場しているので、ウオッチしておき自宅に合ったものが出てきた段階で導入するのも一つの手だ。

 筆者は自宅向けの2つの通信サービスに注目している。NTTドコモが2021年8月下旬に開始予定の「home 5G プラン」と対応機種の「home 5G HR01」、そしてKDDIが8月上旬以降に提供を開始する予定の「ホームルータープラン 5G」と対応機種の「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」である。

 いずれも5G(第5世代移動通信システム)に対応するルーターを使う通信サービスで、持ち運び前提のモバイルルーターではなく据え置きタイプのルーターを使うのが特徴である。「工事不要」などのメリットをうたっている。月額料金(税込み)はhome 5G プランが4950円。ホームルータープラン 5Gは25カ月間4721円(「2年契約N」と「5Gルーター割」適用)で、2年契約N適用は5271円、割引前は5458円だ。

置き換えではないが固定ブロードバンドと同じニーズを想定

 まずhome 5Gについて見ていこう。

 サービスと端末(ルーター)のスペックを見ると、home 5GはFTTH(Fiber to the Home)などの固定ブロードバンド回線と同様のニーズを想定していることが分かる。ただしドコモによると、置き換えを狙うものではなく、従来固定ブロードバンドでアプローチできなかった工事不要・お手軽・単身などのニーズを想定しているという。

 home 5Gのサービスと端末の利用は登録使用場所に限られ、その場所以外に持ち出して利用した際は通信が制限される。home 5Gはドコモ光と同じく固定回線としてのニーズをターゲットに、工事なしですぐ手軽に利用できることがセールスポイントであるため、サービスと端末は特定地以外で利用できる仕様にしていないという。「自宅など特定の場所に設置して利用することを想定した価格設定としている」(ドコモ)。

 またhome 5G HR01は基本的に据え置いて使うため、バッテリーは非搭載。自宅内で多くのデバイスと接続されることを考慮し、モバイルルーターより同時接続台数が多い仕様になっている。同時接続台数はドコモの5G対応モバイルルーターである「Wi-Fi STATION SH-52A」が18台であるのに対して、home 5G HR01は65台だ。同じ5Gルーターでも、かなり違う部分がある。

NTTドコモが発売を予定するhome 5G HR01
NTTドコモが発売を予定するhome 5G HR01
(出所:NTTドコモ)
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 無線LAN機能はWi-Fi 6に対応しており、最大通信速度(理論値)は1201Mbpsとなっている。

工事不要、手軽に使いたい人には“刺さる”選択肢

 ブロードバンドであるからには自宅における5Gの速度、5Gが使えないなら4Gの速度で満足できるかもポイントとなる。FTTHは高速なものだと10Gbps、5Gbpsなどの品目が用意されたサービスもある。こうしたサービスにどのくらい迫れるのか。

 home 5G HR01のWAN側の通信速度(技術規格上の最大値)は5Gが受信時最大4.2Gbps/送信時最大218Mbps、4Gが受信時最大1.7Gbps/送信時最大131.3Mbpsとなっている。ベストエフォートで実際の速度は通信環境に応じて変わるが、速度に関しては5GによってFTTHに近づいたと言えるだろうし、FTTHには100Mbps/200Mbpsなどの品目もあるので部分的に上回るケースも出てくるだろう。5Gはエリアが広がっている最中なので、速度重視であれば自宅で5Gを使えるかの確認が必要になる。

 home 5Gの位置づけや用途は固定ブロードバンドに近く、回線の開通に関してはモバイルルーターに近いと言えるだろう。「工事は避けたい」「早く使い始めたい」などの点を重視して自宅の回線を選びたいユーザーには、home 5Gのような工事不要あるいは手軽に使えるといった点は“刺さる”のではないだろうか。