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 自分の血糖値をご存じの方はどれくらいいるだろうか。かくいう記者もこれまで全く自分の血糖値を把握していなかった。しかし今では「この食事は血糖値が急上昇しそうだな…」と食べる前になんとなく分かる。最近、自分の血糖値(間質液中のグルコース値)の変化を小型のセンサーで計測する生活を送ったからである。

センサーで血糖値(間質液中のグルコース値)を測定し、健康管理アプリに食事内容と共に記録する生活を続けた
センサーで血糖値(間質液中のグルコース値)を測定し、健康管理アプリに食事内容と共に記録する生活を続けた
(出所:日経クロステック)
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 記者は2022年6月と7月に、デジタルヘルスベンチャーであるH2がクリニックの銀座有楽町内科と共同で開発中の血糖値改善プログラムに2週間ずつ参加した。同プログラムは生活習慣の改善と糖尿病の予防を目的としており、患者ではなく糖尿病予備軍など治療を受けていない人が対象になる。記者は30代でどちらかというと痩せ型。糖尿病予備軍だという自覚は無かったが、自分の血糖値の変動を把握しようという軽い気持ちで体験に臨んだ。

 このプログラムには、血糖値の変動を常時モニタリングできるアボットジャパンの持続グルコースモニタリング(CGM)センサー「FreeStyleリブレ」と、H2が手掛ける健康管理アプリ「シンクヘルス」を用いる。リブレは保険適用された高度管理医療機器で、糖尿病治療を受ける患者が保険診療下で利用するケースが多い。一方、今回のプログラムでは患者は対象外としており、銀座有楽町内科が実施する自由診療としてリブレを利用する。

 アプリを開発したH2のEd Deng最高経営責任者(CEO)は、糖尿病の祖母がこまめに血糖値を記録しながら値の上昇を抑えて維持管理する姿を見て、アプリを使った患者向けのサービスを思い立ち、同社の創業に至ったという。そのアプリに、簡単に血糖値をモニタリングできるセンサーを組み合わせることで、患者だけではなく予備軍にも気付きを与えるサービスを提供しようというわけだ。

 リブレは厚さ5mm、直径35mmの円板状センサーだ。上腕に装着すると、表皮の近傍にある間質液中のグルコース値を2週間にわたり毎分測定し、15分ごとに平均値のデータを保存する。装着したまま入浴も可能だ。専用のアプリをダウンロードしたスマートフォンをセンサーにかざすと、グルコース値の確認と記録ができる。シンクヘルスはそのデータを自動で連携する仕組みだ。

 これまで血糖値を測定するには、指先から少量の血液を採取し小型の医療機器で測る必要があった。グルコース値は血糖値と相関することが分かっているため、リブレのようなCGMセンサーを使うことで体への負担を減らして血糖値の変動を把握できる。