PR
全5137文字

 30年勤続休暇を使って、久しぶりに観光で海外旅行に出かけた。仕事の出張に慣れて油断していたのか、パスポートやクレジットカード、スマートフォン、財布が入ったコンパクトなバッグを盗まれた。旅行を開始して2日目のことだ。おかげさまで命に別条はなかったが、失ったものを再度手に入れる作業は予想以上に大変だった。

 事件は欧州のある国の首都で起きた。空港に直結した駅で、街の中心部へ向かうために列車へ乗り込む際、“親切なおじさん”が荷物を列車に乗せるのを手伝ってくれた。一息ついて荷物を確認すると、貴重品を入れたバッグがない。手伝ってくれたおじさんの姿も見えない。「やられた」と思ったが、時はすでに遅し。列車の車掌に訴えるも、「とった人が分からなければ、自分ができることはない」(それはそうだと思いますが……)、「降りた駅で警察に相談しなさい」と言われる。

 その首都の中央駅で下車。駅員に警察の場所を聞き、とられていない大きなスーツケースを引きながら探すも見つからない。スマホをとられておりGoogleマップにアクセスできないので、人に聞くしか術はない。何回か聞くうちに、駅構内には警察がないことが分かった。駅の外へ出て横断歩道を渡り、通りの向こうにある交番らしき場所にたどり着く。

 交番で事情を話すと、警察官が盗難調書の作成に取り掛かる。その際に言われたのが、「Photo IDを見せてくれ」。「え、パスポートをとられたのに、困ったなぁ」と戸惑う私。欧州では展示会の入場時にパスポートではなく、クレジットカード大のPhoto IDを出している人をよく見かける。幸い、国際運転免許証を取得しておいたことを思い出す。すぐに使うものではないので、とられたバッグではない別の大きなバッグに入れてあった。

 警察官にとられた状況やバッグに入っていたものを説明、とられたものに関しては価値(価格)も聞かれた。聞かれたことがすべて記入された盗難証明書を渡される。交番での手続きはこれで終了。ありがとうございました。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
有料会員と登録会員の違い