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 2020年に向けて進められてきた都心各所の大規模再開発や拠点整備のうち、名前の知られたプロジェクトの多くが完成に至った。新規開発が一度に途絶えるわけではないが、幾つかのエリアはマネジメントに注力する期間に移行するのではないか。そうした中、今後の都市改造の焦点となる新宿を巡り、様々な取り組みが顕在化してきた。

 都市開発分野でよく語られているように、都心における機能更新の重点エリアは、時代に従って移動してきた。日本大学理工学部土木工学科特任教授の岸井隆幸氏は、これを「式年遷宮」に例えている。

 岸井氏の持論では、都心における業務機能の核は主に、丸の内(あるいは大丸有=大手町・丸の内・有楽町)、新宿、虎ノ門(あるいは汐六=汐留・六本木)とされている。3エリアのうち1つを30年かけて改造し、残り2エリアを温存すれば、都心機能の3分の2を維持しながら順に更新していけるという考え方だ。

東京都が2017年9月に策定した「都市づくりのグランドデザイン」より。「大規模なビジネス拠点の持続的な更新イメージ」を示している。基となる答申をまとめた東京都都市計画審議会都市づくり調査特別委員会の委員長を岸井氏が務めている(資料:東京都)
東京都が2017年9月に策定した「都市づくりのグランドデザイン」より。「大規模なビジネス拠点の持続的な更新イメージ」を示している。基となる答申をまとめた東京都都市計画審議会都市づくり調査特別委員会の委員長を岸井氏が務めている(資料:東京都)
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 さらに、渋谷や池袋、品川、臨海部の”副都心”が上記3つの核を補い、南北の横浜やさいたま、東西の幕張や多摩が”新都心”としてバックアップする──。首都直下地震対策にもなり得る多核型の東京圏の在り方を岸井氏は、世界に類のない「柔構造都市」と呼んでいる。

 こうした“式年遷宮”方式の都市開発で今後の焦点となるのが、発展を始めた1970年代から50年、都庁が移転してから30年を経過する新宿エリアだ。

駅周辺の大改造イメージが浮かび上がる

 新宿駅周辺では、東京都と新宿区が共同で方針をまとめた「新宿グランドターミナル」整備が具体化に向けて動いている。

 19年3月には「新宿グランドターミナル・デザインポリシー 2019」を策定。前出・岸井氏が座長を務める「新宿の拠点再整備検討委員会デザイン検討部会」が作業に携わった。同部会には、副座長として東京工業大学教授の中井検裕氏、委員として建築家で東京大学名誉教授の内藤廣氏が名を連ねる。

  20年8月には都が、「新宿駅西口地区開発事業」の環境影響評価書案を公表。小田急電鉄と東京メトロによる百貨店(駅ビル)などの建て替え案が明らかになった。都庁舎の高さ243mを上回って「新宿一」となる、約260mの超高層タワーを中心とする複合施設の計画だ。地下5階・地上48階、総延べ面積約28万m2の規模で、22年度の着工、29年度の完成を目指す。

新宿駅西口駅前広場。写真左手が「新宿駅西口地区開発事業」で建て替えられる予定の小田急百貨店 新宿店(写真:日経クロステック)
新宿駅西口駅前広場。写真左手が「新宿駅西口地区開発事業」で建て替えられる予定の小田急百貨店 新宿店(写真:日経クロステック)
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新宿のエリアマップ。「東京大改造マップ2020-20XX」掲載、調査:2019年11月時点(地図製作:ユニオンマップ、資料:日経アーキテクチュア)
新宿のエリアマップ。「東京大改造マップ2020-20XX」掲載、調査:2019年11月時点(地図製作:ユニオンマップ、資料:日経アーキテクチュア)
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 また、西口広場を挟んで駅の向かいでは、明治安田生命新宿ビルなどを建て替える「西新宿1丁目地区プロジェクト」が進む。地下4階・地上23階、総延べ面積約9万7000m2の規模で、21年の着工、25年の完成を目指す。

 「新宿グランドターミナル」整備の中では特に、JRの線路による東西の分断を解消するための地下通路および線路上空デッキの設置が、重要な一手となる。このうち、悲願といわれていた新宿駅東西自由通路が20年7月に供用を開始。改札外で東西間を移動する場合の距離が、これまでの半分に縮まった。併せて、東口駅前広場の歩行者空間を拡張する整備なども進展を見せ始めている。

「新宿駅東西自由通路」開通のアナウンス(写真:日経クロステック)
「新宿駅東西自由通路」開通のアナウンス(写真:日経クロステック)
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「新宿駅東西自由通路」整備後平面図(供用開始時点)(資料:JR東日本)
「新宿駅東西自由通路」整備後平面図(供用開始時点)(資料:JR東日本)
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新宿駅東口駅前広場の整備イメージ(歩行者空間拡張)。全体完了は21年3月の予定(資料:JR東日本)
新宿駅東口駅前広場の整備イメージ(歩行者空間拡張)。全体完了は21年3月の予定(資料:JR東日本)
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新宿駅東口駅前広場を見る(写真:日経クロステック)
新宿駅東口駅前広場を見る(写真:日経クロステック)
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新宿駅東口駅前広場の一角。JR東日本とルミネが共同で、現代アーティストを起用する「美化整備」を展開。パブリックアートを松山智一氏、建築デザインをsinato(シナト)が担当したコミュニティースペースを20年7月19日に開設している(写真:日経クロステック)
新宿駅東口駅前広場の一角。JR東日本とルミネが共同で、現代アーティストを起用する「美化整備」を展開。パブリックアートを松山智一氏、建築デザインをsinato(シナト)が担当したコミュニティースペースを20年7月19日に開設している(写真:日経クロステック)
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新宿駅の北東側に位置する歌舞伎町1丁目で進行中の「新宿 TOKYU MILANO 再開発計画」施設構成イメージ(資料:首相官邸ホームページ「国家戦略特別区域会議東京都都市再生分科会」2017年12月13日)
新宿駅の北東側に位置する歌舞伎町1丁目で進行中の「新宿 TOKYU MILANO 再開発計画」施設構成イメージ(資料:首相官邸ホームページ「国家戦略特別区域会議東京都都市再生分科会」2017年12月13日)
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歌舞伎町1丁目のシネシティ広場に面する場所で「新宿 TOKYU MILANO 再開発計画」の工事が進んでいる(写真:日経クロステック)
歌舞伎町1丁目のシネシティ広場に面する場所で「新宿 TOKYU MILANO 再開発計画」の工事が進んでいる(写真:日経クロステック)
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「新宿 TOKYU MILANO 再開発計画」計画地を北側より見る(写真:日経クロステック)
「新宿 TOKYU MILANO 再開発計画」計画地を北側より見る(写真:日経クロステック)
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