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 LANスイッチのファンがうるさい──。こう感じている人は意外と多いのではないだろうか。特に日本の企業では机の周辺にLANスイッチを置く、いわゆる「島ハブ」という文化が根強くあるので、こうした環境になりがちな面がある。

 最近、主要なLANスイッチメーカーに取材する機会があり、各社の工夫をまとめた。興味深かったのは多くのメーカーがLANスイッチのファンの静音化に力を入れていることだ。ファンの音がうるさいので何とかならないのか、との要望がユーザーから多く寄せられるという。

 そもそもLANスイッチにファンが内蔵されているのは、パソコンと同様、内部を冷却するためだ。LANスイッチが処理するトラフィックが増えて高負荷状態になると内部のチップなどの温度が上がり、動作保証温度を超えて誤動作を起こす恐れがある。

 それを抑えるためにファンの高速回転は避けられないが、単純に回転数を増やすと動作音も大きくなる。各メーカーはいろいろな工夫で静音化に尽力している。今回はそうしたメーカーの取り組みをいくつか紹介したい。

そもそもファンを内蔵しない

 初めからLANスイッチにファンを搭載しないという手法を選んだのがアライドテレシスだ。同社はファンレスのLANスイッチを提供している。

アライドテレシスのファンレススイッチ
アライドテレシスのファンレススイッチ
(出所:アライドテレシス)
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 では発熱にはどう対策しているのか。同社によると、コンポーネントの配置などハードウエア設計の工夫で、温度上昇を極力抑えるようにしているという。

 同社は特に学校からファンがうるさいとの声を多く聞いているという。その背景として、レイヤー3スイッチというカテゴリーの製品がユーザーのそばに置かれるようになったことがある。LANスイッチは大きくレイヤー2スイッチとレイヤー3スイッチに分けられる。後者のほうがCPUの処理量が多く、発熱量が多い傾向にある。

 これまでレイヤー3スイッチはサーバー室に置かれるケースが多く、ファンの音を気にしないで済んでいた。ところが教師と生徒それぞれが利用するネットワークを分離する必要があるなどの理由で、ファンの音が気になるほど近くにレイヤー3スイッチを置くケースが増えてきたとのことだ。

 こうした利用状況を想定したファンレススイッチはGIGAスクール構想による文教市場のほか、静音性が求められる病院などのニーズも高まっているという。