業種をまたいで貯めて、商品やサービスの支払いに使える「共通ポイント」に地殻変動が起こっている。これまで加盟店の開拓は「1業種1社」が原則だったが、この暗黙のルールが過去のものとなりつつある。そんな流れを巻き起こしているのは、ポイント以外に収益源を持つNTTドコモや楽天だ。1業種1社の崩壊は、共通ポイントが体力勝負に入った現実を物語る。

 2018年6月下旬、共通ポイント業界で「事件」が起こった。楽天が外食事業を手掛けるトマトアンドアソシエイツとポイントサービスで提携したと発表したのだ。トマトアンドアソシエイツが運営する「バラエティ ダイニングハウス トマト&オニオン」などで「楽天スーパーポイント」がたまる。

 提携の中身はポイント関連で一般的なものだ。にもかかわらず、業界内で驚きが広がったのはなぜか。それは楽天がすかいらーく子会社と組んだからだ。

 すかいらーくと言えば、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の「Tポイント」の老舗ユーザー。主力の「ガスト」などでTポイントを貯めたり、支払いに使ったりできる。「ガストも楽天陣営に?」。楽天とトマトアンドアソシエイツの提携は、業界内でそんな憶測を呼んだ。