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 トヨタ自動車は全面改良して2022年8月23日に発売した小型ミニバンの新型「シエンタ」に車いす仕様車を設定しました。同仕様車には、車いすで乗り降りするスロープ板が長い「ロングスロープタイプ」と、スロープ板が短い「ショートスロープタイプ」があります。

 後者のショートスロープタイプは、主に法人向けに新設定したもので、福祉タクシーや介護施設などでの利用を想定しています。後部ドアを開けるとエアサスペンションによって自動で車高が下がり、同時にショートスロープが展開します(図1)。

新型シエンタの車いす仕様車(ショートスロープタイプ)
図1 新型シエンタの車いす仕様車(ショートスロープタイプ)
(写真:日経Automotive)
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 ロングスロープタイプは車両の後方に2.4m以上のスペースがないと、車いすで乗り降りできません。これに対してショートスロープタイプは、車両の後ろに約1.3mのスペースがあれば乗り降りできます。

 また、ロングスロープタイプではスロープ板を手作業で車外に引き出す必要がありますが、ショートスロープタイプでは前述したように、後部ドアを開けると自動でスロープ板が展開します。乗降時間が短縮できる利点もあります。

 ただ筆者が気になったのは、ショートスロープタイプでは車いすを車両に乗せるために、地面からの高さが約19cmの段差を乗り越えなければならないことです。車いすを降ろすときも、この段差に対応する必要があります。

 ロングスロープタイプは、スロープ板の傾斜がなだらかであるため、ほぼ段差がありません。約19cmの段差があるショートスロープタイプは、ロングスロープタイプよりも車いすでの乗り降りが難しくなるのではないかと思われます。

 この点について、2022年9月12~16日に開催された新型シエンタの試乗会に参加して、車いす仕様車の開発担当者に聞いてみました。トヨタCV Company CV製品企画 ZW主査 兼 Toyota Compact Car Company 製品企画 ZP 主査の中川 茂氏は、「コツを覚えれば難しくない」と説明してくれました。