NHKの朝の連続ドラマ「半分、青い。」が9月29日、最終回を迎える。ここ10年間朝ドラを見てきて、個人的なベスト3は「カーネーション」「ひよっこ」「あまちゃん」なのだが、今期の「半分、青い。」も毎朝欠かさず視聴した。中でも、主人公・鈴愛のマンガ家修業中の苦闘や、幼なじみ・律との関係性にはハラハラやきもきさせられた。

 これとは別に、後半の展開で筆者が関心を持って見たのは、律の転職をめぐるエピソードだった。大手の一流メーカーでエンジニアとして活躍していた律は、異動に伴って技術部門の予算管理やリストラなどを担当することになる。会社を辞めてもう一度ものづくりの現場に立ちたいという思いを募らせつつ、大手企業の安定性を捨てることへの不安は拭いがたく、逡巡する。

 その後、律は自分の進むべき道を決めるのだが、背景として描かれたのは職場以外の人々や出来事だった。家族関係の変化や、偶然訪れた場所、そこでの新しい出会い。そのタイミングで起こったいろいろな事柄が、最終的に彼の背中を押したように見えた。

転職者の数だけ、転職理由がある

 これは、ドラマに限ったことではないだろう。「転職者のホンネ」の執筆を担当している関係で、筆者はこのところ、ITや製造などの分野で転職経験がある人にインタビューを重ねている。

 会社を辞めようと思ったのはなぜですか。この質問に対して最初に返ってくるのは、やりがいや人間関係、給与など仕事に直接関係する答えだ。だがさらにヒアリングを重ねると、必ずと言っていいほど仕事以外の要因が影響を与えていることが分かる。

 恋人に結婚を申し込もうと思って、その前に仕事を安定させたかったという人もいれば、恋人に結婚を申し込まれたのを機に仕事のことを考え直したという人もいた。ぼんやりと転職を考え始めたとき、まるで図ったように古い知り合いから連絡があって、うちの会社に興味はないかと言われた、という話も聞いた。大きな災害を経験して、仕事をする意味を改めて自問したという人にも会った。

 転職先を選ぶ際の決め手も、本当にいろいろだ。印象に残っているのは、「定時が前の職場より30分早かったこと」を挙げた女性の話。たった30分だが、子供を保育園に迎えに行くときの心の余裕が大きく違うという。

 転職を考え始めるきっかけや決断する理由は、働いている人の数だけあるはずだ。日経 xTECHでは、IT分野で働く人の転職意識を探るべく、アンケート調査を実施することにした。現在の転職意向やその理由、過去の転職経験にまつわるエピソードなどを尋ねている。以下のページから、ぜひご協力いただきたい。結果は、後日報告する。

「IT人材の転職意識調査」回答ページ

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