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 「これまでの携帯電話サービスは、月単位という固定観念にとらわれすぎていたのかもしれない。それは提供者都合で、利用者視点に欠けていたのではないか」ーー。記者がそんな考えを改めて抱いたのは、KDDI(au)が2021年9月13日に発表した、新たなオンライン専用プラン「povo2.0」に触れたときである。

「利用者のライフスタイルは月に縛られるものではない」。povo2.0について説明するKDDI Digital Life社長の秋山敏郎氏
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「利用者のライフスタイルは月に縛られるものではない」。povo2.0について説明するKDDI Digital Life社長の秋山敏郎氏
(出所:KDDI)

 povo2.0では、同社が21年3月に開始した「povo」を全面刷新し、月額基本料金0円で契約したあと、有料のトッピングを追加することで利用者のニーズに沿ったプランを組み立てられるようにした。「利用者のライフスタイルは月に縛られるものではない」(KDDI Digital Life社長の秋山敏郎氏)という発想から、月単位だけではなく、短期(7日間)、長期(90日間、180日間)のデータ容量のトッピングを用意した点が最大の特徴だ。

 例えば7日間で1Gバイトまで利用できるトッピングのほか、90日間60Gバイトまで使えるトッピング、180日間150Gバイトまで使えるトッピングなどを用意した。

 povo2.0の新しさは、こうしたデータ系のトッピングにおいて、利用者がトッピングを開始したその日を起点に課金期間が始まる点である。例えば9月22日に7日間1Gバイト有効なトッピングを追加した場合、9月22日その日から、7日後の9月29日の23時59分までが有効期間となる。その期間も30日間のほか、90日間や180日間など、月単位だけではない幅がある。

 これまで携帯各社が提供してきたポストペイド型の携帯電話サービスは、このような利用者が使い始めるタイミングを起点とした課金サイクルにはなっていない。月初から月末までの月単位を課金サイクルとするケースが多く、月の途中で契約した場合、日割り計算で端数を精算していた。

 もちろんこうした課金サイクルは、利用者にとって負担額を把握しやすいというメリットがある。だが携帯各社のシステム上の都合でもあり、利用者視点に欠けていたことは否めない。

 例えば電車の定期券が、利用者の使い始める日付を開始日にできず、月初など鉄道会社の都合でしか選べなかったら、利用者は不便に感じるだろう。3カ月や6カ月といった定期券を選べなければ、選択肢が少ないと思うだろう。これまでの携帯電話サービスはまさにそのような状況であり、利用者が固定観念にとらわれていて、その不便さに気づいていなかった。

 「まったく新しい概念」(KDDI担当者)というpovo2.0が登場して、これまでの携帯電話サービスが、実は提供者都合の側面が大きいことに、改めて気づかされたわけだ。