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 2019年9月19日、筆者は中国・上海で中国・華為技術(ファーウェイ)のプライベートイベント「Huawei Connect 2019」を取材し、さらにドイツ・ミュンヘンで開催された同社の新型スマートフォン「Mate 30」「同30 Pro」発表会の中継動画を見ていた。デジタル化とかグローバル化とか、いつも記事で偉そうに書いているわりに日常生活で実感することはあまり無かったが、この時ばかりは妙に意識した。ちなみに中継動画は米アップル(Apple)の「iPhone」で見ていたので、よりカオス感があった。

Huawei Connect 2019の会場(写真:日経 xTECH)
Huawei Connect 2019の会場(写真:日経 xTECH)
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中国の“コピー戦略”とオープンソース文化は相性が良い?

 Huawei Connect 2019と新型スマホ発表会の両方から筆者が感じたのは、ファーウェイの戦略に「オープンソース」という概念が欠かせなくなっていることだ。オープンソースという概念は特定の国や機関に属するものではないが、広義の米国・シリコンバレーで生まれ、同地を中心に育まれたといっても差し支えないだろう。そのオープンソースが、米政府の“標的”になったファーウェイを結果的に救っているのは皮肉でもある。

 Huawei Connect 2019で、ファーウェイはこれまで自社だけで使ってきたサーバー用OS「EulerOS」とデータベース管理システム「GaussDB」をオープンソース化すると発表した。同社は、自社設計(正確にいえば子会社である海思半導体(ハイシリコン)による設計)のプロセッサーを中核技術に据え、そのプロセッサーを搭載したボードやオープンソース化したソフトウエアなどをパートナー企業に“開放”することで、巨大なエコシステムを構築し、成長が見込めるサーバー市場に本格的に攻め込もうとしている。

 サーバー用プロセッサーでは、今のところ米インテル(Intel)が圧倒的優位を築いている。ファーウェイのもくろみ通りになるかどうかは不透明だ。それでも、“コピー戦略”で急発展を遂げた中国産業界とオープンソース文化は相性が良いのではないかという見方もある。

 Huawei Connect 2019は3日間(2019年9月18~20日)の開催で、最終日は前述したソフトウエアのオープンソース化などパートナー企業向け施策に関する講演が中心であり、聴講者のほとんどがパートナー企業のようだった。そこでは、1日目や2日目のメディア/アナリストを意識した基調講演に無い熱量が感じられた。「ファーウェイのプロセッサーやエコシステムを利用して、自分たちも一旗揚げるぞ」というようなパートナー企業の意欲を高めるために、オープンソース化という戦略がうまく作用している印象を受けた。